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最後の日を迎えました。
6時に起きてストレッチとヨガと瞑想をし、ゆっくりと最後のロードワークに向かいました。
何度も走った道を、確かめるように足の裏で噛み締めて走りました。
いつもと変わらずシャワーを浴び、Tシャツを着替えてジムへと向かう道すがら空を仰ぐと、綿菓子みたいな薄っすらとした雲の先にどこまでも広がるような真っ青な空が見えました。
タイは今、雨季真っ只中です。
14年前、当時の会社の仲間に誘われ始めてタイへ来ました。
なんとなくついて来ただけの普通の観光でした。
たまたま行ったラジャダムナンスタジアムで観たムエタイの試合に胸が熱くなった私は、旅の初期に皆と別れ、1人ムエタイジムの門を叩きました。
旅行社に紹介してもらった片田舎のジムこそ、サシパパ(サシプラパー)ジムでした。
中学で少林寺拳法、高校で極真空手、大学からは日本拳法を続けていて100kgあった当時の私は、多少腕に覚えがありました。
そんな私はのちっぽけな自信とプライドは、入門してすぐに当時のサシパパジムのトップファイター達の次元の違う強さに木っ端微塵に打ち砕かれました。
当時ラジャダムナンスタジアムのバンタム級(52kg〜54kg)の現役チャンピオンだったBooに首相撲ではコロコロ投げられ、スパーリングでは全く歯が立ちませんでした。
これが立ち技最強格闘技、ムエタイなのか。
これがプロのファイターの強さなのか。
この細い身体のどこにそんなパワーが?
この蹴りの速さと炸裂音ヤバ過ぎる!
パンチも見たことないくらい速ぇ!
これが同じ人間なのか、、、。
今までの格闘技人生をひっくり返されたような経験をしてムエタイの虜となり、そしてムエタイを通じて素晴らしい仲間達と出逢い、この片田舎と人々に魅了され、毎年夏期休暇と有給休暇を駆使してここに通うようになってはや14年になりました。
昔、まだ20代くらいの頃、お前は一体何を目指してるんだといろんな人に聞かれたことがあります。
もう充分やっただろ、そろそろ止めたらと言われたことが何度もあります。
その時は上手く答えられませんでしたが、今はこう思います。
昨日たくさんご飯を食べたとしても、また今日もお腹は空いてご飯を食べます。
私にとって格闘技とは、ご飯のように当たり前のもので、日々の修行を通じて自分の心身を整えてくれ、ストレスフルで閉塞した日常の中で最低限の独立性を保たせてくれる大事なライフワークです。
今までどれだけの局面で助けられたかわかりません。
だからこれからもいろんな形で共に歩んでいくのだと思っています。
私、KFC代表は本日ここにすべての修行過程を修了しました。
無事に日本へ帰ります!押忍!
《ロードワーク》
4km
《朝練》
シャドーボクシング 1R
ミット 4R
サンドバッグ 4R
※1R=3min30sec