大空を見上げて

日頃感じていること

ちょっとブレイク -父の小噺-

2008-04-15 | Weblog
 私たちが子供の頃はテレビもなくゲームもなく、そんなに多くの楽しみはなかった。父は近所の子供たちをたくさん集めて、面白い話やタメになる話をよくしてくれた。亡くなる前、妻にもいろいろ話していた。
その一つを紹介すると、

            「たくわん風呂」
 昔、ばかだ、ばかだと言われている子供がいた。父親は親戚へのご祝儀を持たせてその子を使いに出した。行く前に、○○の家に行ったら、挨拶をしてその家の玄関の壁を見るんだ。そこに傷があるから、ここに絵でもかけたらいいですね、と言いなさい。息子は言われたとおりに言った。親戚の人々は、この子はばかだ、ばかだと言われているけれど賢いじゃないかと思った。そこへ馬を連れた人がやって来た。皆は立派な馬ですねと言った。持ち主は、いやお尻にちょっと傷があるんですよ。それを聞いた息子はすかさず、そこに絵でもかけたらどうですか・・・。
この子はやっぱりばかだった。
 また父は言った、熱いお茶を出されたら冷ますのに、たくわんを一切れもらって湯のみに入れてかき混ぜてから飲みなさい。言われたとおりにした息子を見て皆は、この子はばかだ、ばかだと言われているけれど賢いじゃないかと言った。さて夜も遅くなり泊まる事になった。お風呂に入ったら熱い! そこで、すみませんがたくわんを一切れくださーい・・・。  この子はやっぱりばかだった。 
                      オソマツ

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