メーカーや工場に限った話ではありませんが、日本のお家芸とも言える「カイゼン」活動。知らない人はいないくらい、マネジメントや経営のお話しにはよく登場しています。
しかしながら、実際に取り組んでいる会社ってどれくらいあるのでしょうか。
コンサルティングの現場で、最初とっかかりに調査、診断を行う際、”モラールサーベイ”を実施することがよくありますが、その組織運営の診断項目に「小集団や提案活動の活発化」という項目があるのですが、意外に低い数値となっていることが多いものです。
中小零細企業の現場では、「カイゼン」活動が意外になされていないことに驚かされます。
昨日の日経MJの記事に花王のカイゼンに関する記事がありました。
「花王川崎工場 詰め替え品を効率生産」
・すすぎ1回で済み、水の使用量を大きく減らせる「アタックNeo」。大型新製品ながら既存設備の改良だけで大量生産にこぎつけ、製造原価の低減に成功した。その背景にはたゆまない現場の「カイゼン提案」があった。
・生産設備はすでにフル活用で、販売量の多い製品を新たに生産品目に加えるのは難しかった。
・中でも液体洗剤の詰め替え製品ラインの生産性の大幅な向上を実現。改善提案対象は箱詰めや充てんなど49件にも及ぶ。
・~~こんな小さな積み重ねで生産性は1.5倍に。既存設備の生産能力が向上したことから「新設備を導入する場合の10分の1程度」というわずかな費用による設備の改良でアタックネオの生産を始めることができた。
(引用:2010/08/11 日経MJより)
とのことです。
こうした取り組みは、一朝一夕にはできないもの。
普段から全社員の取り組みが日常化していてこそ、「提案の数」が集まりますし、数が集まれば「良質な提案」も生まれ、利益やコスト削減に繋がります。
この川崎工場では、カイゼン提案が年間800~1000件もだされるそうです。
従業員から勝手に提案があがってくることを期待しても難しいでしょう。「会社の仕組み」として、カイゼン提案の制度なりルールなりをつくる必要があるでしょう。
提案の度、あるいは提案が採用された場合に報奨で報いたり、誰でも提案ができるように「書式やフォーマットを用意する」、「口頭でも提案できる場を設ける」など、提案しやすい雰囲気や機会を用意しておくことも大切です。
さて、あなたのビジネスでもまだのようでしたら、さっそく「カイゼン提案」活動を検討してみませんか?