日頃、よく利用するさまざまな飲食店、どのような選択基準で自分は店を選んでいるのか、あまりよく考えてみたことはないかもしれません。
昨日の日曜日の新聞に、テレ東「ガイアの夜明け」10日の放送テーマが掲載されていました。
「競争激化する外食産業」
・長引く不況の中で外食産業の競争が一段と激しくなってきた。従来通りの低価格化で勝負するだけでなく、個性化という新しい波も出てきた。
・~~立ち食いそばチェーンも好んで値下げ路線を選んでいるわけではない。背景にはファストフードのトップグループを走る牛丼市場の低価格競争がある。
・もっとも、利用客は飲食店に対して低価格だけを求めているわけではない。
・ヤフーリサーチ(現マクロミル09年8月時点20歳以上300人)の調査結果では、店を選ぶ基準として「味」が71%と、「料金」の48%を大きく上回っている。
・味に次いで~90%の消費者が接客態度をお店選択のポイントにしている。
・最も満足度が高いのは「店内を見渡しただけでスタッフが駆けつけてくれる」(46%)また、「料理やデザートを一品無料サービス」(39%)
・もう一つ飲食店の選択基準として意識されているのが喫煙問題である。
・東京都の都政モニター調査では飲食店の禁煙・分煙などの表示について「参考にする」は喫煙者で74.5%、過去に吸っていたが現在はやめている人で85.5%、吸ったことがない人で90.3%に上っている。
(引用:2010/08/09 日本経済新聞より)
とのことです。
これだけ飲食店の価格競争が激しいのに、アンケートではお客様は料金より、味と答えています。
まぁ価格の方が定量的に誰にでも客観的にわかりやすく、訴求しやすいので大手が価格に走るのはわからないでもないですが、不毛な価格キャンペーンにならないためには、上記のようなお客様の意見を参考に満足度を高め、価格で集めたお客様も、通常の場合でも来ていただけるリピーターになっていただかなくてはなりません。
「店内を見渡しただけでスタッフが駆けつけてくれる」店がどれくらいあるでしょう。最近はどの店も接客は気を遣っているところだと思いますが、それでもここまで気の利いたスタッフが多くいるところはまだまだそうは見かけません。
「料理やデザートを一品無料サービス」というのは一見、価格訴求のようですが、直接値下げをするよりは、おまけを付ける方がましでしょう。コストのコントロールもしやすいし、すぐに実行できますね。
そして見落としがちなのが喫煙問題です。
上記の調査で、かなり高い率で、飲食店の禁煙・分煙などの表示について参考にするとの結果が出ていますが、これを差別化にしている店はまだまだ少ないようです。
都も分煙ステッカーを配布したそうですし、JTのウェブサイトからも分煙表示作成して印刷できるサイトがあるようで、最近ではたしかに店頭表示している店も多く見かけるようにはなりました。
しかしながら分煙しているという店でも、実際に入ってみると、煙やにおいが空間に漂い、これのどこが分煙なのかと、逆にイメージを落としている店もあるのではないでしょうか。
分煙の方法には「機器を導入する」「時間帯分煙とする」「席を分ける」「空間を壁やパーティションで遮断する」などの方法がありますが、単にこれらの方法のどれかを行っているからといって、差別化にはならないでしょう。
よく、エアーカーテンを使用して分煙をしようとしている店がありますが、もともと分煙目的の機器ではないため、強い風がでますので冬は寒く、また、ほこりが舞い上がり、エアコンの効果も遮断することから、せっかく取り付けても機器を止めていたりすることがあるようです。
形だけ取り繕うのではなく、本当に煙やにおいが防がれていなければ、分煙されているとは言えません。
これは既存の店舗の造りなども関係しますから、なかなか難しい問題ですが、アンケートの結果をきちんと受け止めるならば、今後は取り組んでみる必要のあるテーマでしょう。
と、このように価格以外でも、差別化につながりそうなテーマはまだまだ沢山ありそうです。
さて、あなたのビジネスでも、新しい差別化の切り口に何か取り組んでみてはいかがでしょうか?
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