中小企業診断士 藤田雅三 ブログ

~コンサルティングblog~ざっくばらんにいろいろ書きます。

その業務は目的にあっているか

2010年08月23日 18時00分00秒 | 戦略・ブランド・コスト・業務改善

業務を効率化させる「ITの活用」、情報共有や戦略的営業に役に立つ「見える化」、どちらも積極的に取り組むべき課題ではあります。
なんでもかんでもやるのではなく、目的を明確にしておかなければ、余分な仕事も生んでしまうことになりかねません。

こんばんは!経営コンサルタント 中小企業診断士の藤田雅三(フジタ マサカズ)です。

本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。

「カルビー、IT活用見直し 顧客満足度向上こそ本筋」
・カルビーでは全国にあるスーパーの約35%に約250人の調査員を送り込み、店頭にあるポテトチップスの鮮度を調査していた。鮮度に関するデータは本部に送られ、社員は「経営可視化システム」でチェックできるようになっていた。
・ところが全社員が日々鮮度データを確認するというのは少し度を超えているのではないかということになった。その結果、対象を半分にして引き続き鮮度調査は実施しているものの、経営可視化システムにおける鮮度データの更新は今年2月で終了。システムも利用していない。
・あまりコストを掛けすぎると、価格面で顧客に負担をかけることになる。

また、別の記事では・・・

「名刺の山から人脈の宝発掘 顔合わせや商談の状況PC上で可視化」
・IT関連の人材派遣を手がけるパソナテック。~利用するのはシステム開発ベンチャーの三三が2007年秋に始めたサービス「リンクナレッジ」だ。
・スキャナーで読んだ名刺の画像は三三のデータセンターに送られ、オペレーターがデータベース化する。~~簡単にできあがったデータベースから社員の人脈が浮き上がる。
・キャノングループのイーシステムも同様のサービス「アルテマブルー」を展開している。違いは人脈の可視化を工夫している点。自社の社員のリストと相手企業の社員のリストを線で繋いで名刺交換や商談の状況が一目でわかる。
・多くの利用者はこれまでと同様、名刺の束を机の引き出しに入れたままだという。にもかかわらず新たな共有資産として生まれ変わる。
(引用:2010/08/23 日経産業新聞より)

とのことです。
営業の資産である人脈を活用するためにかかせない名刺。個人レベルの管理もあやしいところですが、大きな会社になればなるほど社内全体での活用は難しいもの。

営業の進行状況をまめに、システムに入力・更新したりすることができればよいのですが、日々に追われてなかなか実現が難しい。
そうした悩みを解決して、全社員の人脈と商談状況を可視化してくれるサービスで、高い営業効率を実現してくれるのであれば、非常にありがたいと言うところでしょう。

一方で、カルビーの例では可視化システムの鮮度データ更新をやめています。
せっかく良かれと思って進めていたことをやめるのは、勇気の要ることですが、目的が明確になれば割り切り、決断も必要です。

カルビーではSCMなどの整備をしており、商品の袋に窒素ガスを入れて、もともと油などで劣化しにくくしているため、顧客が満足する鮮度は実現しているとの判断をしたうえでの結論です。

もともときちんとした対策がなされているのであれば、その上に過剰な鮮度チェックやデータ更新が本当に必要かどうか?ということをあらためて考えたということでしょう。

なんでもかんでもIT化や見える化をするのが目的とならないよう、なんのためにそれをするのかを明確にしておく必要があるでしょう。

その目的を実現するために、なにをする必要があるのか?そのためにIT化や見える化をしたほうが良いのであればそうすれば良いですし、まったく違うことをした方が実現に繋がるかもしれません。

さあ、あなたのビジネスでも、目的にあった業務になっているかどうか、見直してみませんか?

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