中小企業診断士 藤田雅三 ブログ

~コンサルティングblog~ざっくばらんにいろいろ書きます。

価格競争に巻き込まれない

2010年08月07日 13時47分29秒 | 戦略・ブランド・コスト・業務改善

商品力で勝負したいと思いつつ、気づけばいつのまにか、値下げ競争に陥ってしまっていることはどの商売でもあるものです。

昨日の新聞になりますが、日経MJに次のような記事がありました。

「マクドナルド 消費2極化に対応」
・消費者は一般的な商品は価格に敏感だが、新しいもの、おもしろいことにはお金を使いたいという意識がある。
・低価格商品とちょっとしたプレミア商品とのバランスが大切だと感じている。
・すでに地域別価格を導入して成功しているが、消費者層が大きく異なるので、ロケーション別価格も必要かもしれない。

「100店めざし出店加速 バーガーキング 藤河社長に聞く」」
・じか火でパティを焼くBK独自の調理法「フレームグリル」を前面に出した商品の投入を行う。
・他社のハンバーガーと比べてもサイズの大きい「ワッパー」という看板商品があるが、それだけでは弱い。米国流の強みを打ち出した看板商品を順次出していく。
・野菜やソースなどを自分の好みの量に調整する「ハブ イット ユア ウェイ」と呼ばれるサービスの推進だ。海外店では同サービスの利用客がコアなファンとなっている。
(記者の目)
・ハンバーガー業界は値下げを競演している牛丼業界と違い、あるチェーンが始めたキャンペーンにそのまま追随することは少ない。個々のチェーンが自社の規模や客層に応じて独自の商品展開をしているためだ。
(引用:2010/08/07 日経MJより)

とのことです。
マクドナルドも一時期の低価格路線から、近年は地域別価格をはじめ、従来の店舗とは違うアップグレードな展開も進めているようです。
メニューも季節商品、期間限定商品を含めて次々に登場して、飽きさせないようにされています。

記事の内容では、比較対象として牛丼業界がとりあげられていますが、牛丼チェーンの商品はどうなっているでしょうか。


ある老舗チェーンの丼メニューは、牛丼へのこだわりからか、牛丼と豚丼のみのようです。
そして朝定食では300円台から500円以内におさめていますが、少々ボリューム感にかける感じがします。

もう一方の老舗チェーンの丼メニューは、牛丼以外の丼メニューも多いうえに、牛丼そのもののアレンジメニューも多くバリエーション豊かです。
また、朝定食はボリューム感もあり、価格は280円から680円くらいまで、価格レンジは広くバリエーション豊か。

どちらも商品カテゴリは似ています。
しかし、アイテムや価格レンジが広ければ、値入ミックスもやりやすいですし、500円のものを売ろうと思えば600円や700円といった、より高い商品を置かなくては、売りにくいものです。
また、商品構成やアイテムが被っている場合は、当然ですがアイテムの多い方が特価の価格合わせはやりやすいでしょう。同じ商品を価格合わせで値段を下げても、他の商品で利益をとる工夫がしやすいからです。

ですのでアイテムの少ない店、単品力で勝負する店は、価格競争については慎重にした方がよいと思われます。

しかしながら、どちらのチェーンの商品もおいしいので、企業体力を落とす競争よりも、おいしい商品をお手頃に提供できるようがんばってほしいものです。

上記の業界だけの例に限りませんが、単品力にこだわって勝負する店であれば、メイン商品の圧倒的な味、よそと決定的に違う商品力でもって固定ファンを作らなければならないでしょう。
その上で売り方やバリエーションの工夫と飽きさせないために怒濤の新商品投入と入れ替え。

毎度毎度の価格競争に走るのではなく「○○と言えば□□」というブランドを磨き、同質化から抜け出す必要があるではないでしょうか。

さて、あなたのビジネスでは独自の商品展開で価格競争に巻き込まれないようにしていらっしゃいますか?

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