BBCドラマ『シャーロック』ファンによくある風景↓
Sherlock - the fandom who waited
2010年夏に『シャーロック』の放送を見てどハマりし、第2シーズンが放送されるまでの1年半、第1シーズンの3話をひたすら見続けた女の子のギャグビデオです。いまのわたしが、まさにこれだ。仕事が進みやしねー!(笑)
お次は、『シャーロック』のサントラをカバーする韓国の男の子ファン。
BBC Sherlock Holmes Theme (violin cover)
衣裳や壁紙をちゃんとシャーロック風にしてるの、エラい!
こちらは逆光をうまく使ったシャーロックコスプレファンによる演奏。
Sherlock plays BBC Sherlock Theme
コスプレといえば、ロシアの地下鉄にはついにこんな輩まであらわれた!
第2シーズンのシャーロックにインスパイアされたお姿。周りの乗客がひいてるよ・・・そりゃまあ、普通に考えたら、ただのちょっとかっこいい変質者でしかないよなあ(笑)アニメのコスプレにはまったくそそられないけれども、シャーロックならちょっとやってみたいかも。
こうして虚構の世界に埋没して遊べるというのは、じつに楽しいことですね。いや、単に楽しいというだけじゃなく、現実の苦しさから解き放たれ、癒されるだろう。時に現実は虚構を模倣し、虚構は現実から滋養を得て花を咲かせる・・・
視聴者を完全にその世界観に巻き込んでしまったということが、ドラマ『シャーロック』が達成したひとつの偉業だと思うのですが、実はそれは、コナン・ドイルが書いた原作小説のもっている力でもあるんですよね。
ドラマへの愛がこうじて、こんなものまで買っちゃったんですけども:
ドラマのガイドブックとかでは全然なく、中身は普通にコナン・ドイルの小説。表紙に主演ふたりの写真を使い、クリエーターたちの献辞を入れているだけ。
この発売、わたしは相当感動してしまった。若い視聴者に原作を読んでもらいたいという、脚本家たちの熱いホームズ愛を感じたんです。実際、原作を読み直してみると、ドラマがいかに巧みに原作を換骨奪胎しているかがよーくわかって、おもしろさが倍増します。
たとえば、原作には、ビリーという少年が何度か登場します。ホームズとワトソンが住むベーカー街221Bで給仕として使われる少年ですが、その存在はホームズの映像作品ではこれまでほとんど無視されてきました。
そんな哀れなビリーを思いやってか、『シャーロック』ではちょっとしたシーンで何度か「ビリー」が登場する。ある時はレストランのウエイター、またある時はB&Bの経営者、というように、名前だけがひょこりとふれられるのがおもしろい。
こういうディテールにこだわりまくっているので、若い視聴者のみならず、シャーロキアンやホームズファンの心もくすぐられるんですよね。
脚本家兼俳優で、ドラマで兄マイクロフトを演じているマーク・ゲイティスは、筋金入りのホームズファンらしく、ドラマの成功以来、何度となくコナン・ドイルへの深い敬意を語っています。
彼の言葉のなかでも特に印象的だったのは「ドイル自身がホームズ人気をまるで理解してなかったのは謎だ」というもの。
ホームズを書くのがいやになって『最後の事件』でモリアーティ教授といっしょにホームズをライヘンバッハの滝におっことし、殺してしまった、というのは有名な話(ファンの逆鱗にふれてのちに復活)。他にも、ワトソンを「ホームズのノータリンな友だち」と呼んだり、読者がホームズを実在の人物のように扱うのは理解できないと語ったり・・・
ドイルが英国人らしく無関心をよそおっていただけなのか、あるいはマジだったのかよくわかりませんが、彼の態度はまったく謎です。
Sir Arthur Conan Doyle - Interview (the only COMPLETE version)
現存する唯一のコナン・ドイルの映像。
後半で「ホームズよりもっと真剣な話」として、彼が生涯にわたって強く支持していたスピリチュアリズム(サイキック)について語っている。
『ぶなの木館』 (サイレント 1912 英国)
最初期の映画化作品のひとつ。ドイルが監修をつとめている。
ハドソン夫人は登場するのにワトソンがいない。ホームズとワトソンの友情がもつ価値を、ドイルがまったく理解していなかった証ではなかろうか?
コナン・ドイルはいまだに、ただの大衆小説家と見られ、文学の世界ではキワモノ扱いされているきらいがある。そして同じことは、ホームズの映像化についても言えるのではないかと思う。
1940~50年代にホームズを演じ、いまだに最高のホームズ俳優と讃えられているのがベイジル・ラズボーンですが、彼の映画はB級映画、つまりプログラム・ピクチャーとよばれたそえもの作品だった。
しかし、初めてラズボーンの映画を観た時は、あまりのおもしろさに感激しました。原作のホームズ像にもっとも近い俳優がラズボーンだという気がします。作品はきわめて良く出来ているにもかかわらず、あつかいはB級・・・
おもしろいことに、ラズボーンのホームズものは「モダンホームズ」のはしり。時代設定はヴィクトリア朝ではなく第2次大戦後の英国なんです。その方が制作コストが安上がりですむという理由だったらしいのですが。
BBCの試みが最初ではなかった。まさにホームズの言うとおり「日の下に新しいものなどない。すべてはくりかえしにすぎないのだ」・・・
ホームズものの名声を一挙に高めたのは、なんといってもイギリスグラナダテレビ制作のドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」でしょう。主演のジェレミー・ブレットは、同世代の英国俳優とくらべるとやや知名度の低い役者だった(『マイ・フェア・レディ』のフレディ役は有名)。しかし、ホームズ役を演じてたちまち世界的スターになりました。
原作に忠実に映像化するというのがグラナダの方針で、ヴィクトリア朝のイギリスが美しく再現され、また、ワトソンの存在がかつてなく重視されたことも、このドラマをおもしろく格調高いものにおしあげました。
ちなみに、わたしのホームズへの入り口は、まさにこのドラマでした(NHK放映版、吹替えの露口茂もすばらしかった)。『シャーロック』にハマりまくったいまでも、わたしにとって最高のホームズは、やっぱりジェレミーです。最晩年の10年間、ホームズとして生き、ホームズとして死んでいったジェレミーこそ、最高のホームズ俳優だったと思う。
こう見てくると、ドラマ『シャーロック』におけるベネディクト・カンバーバッチの起用は、実はかなり異例なものだったのではないかということがわかります。というのも、彼は俳優としてはすでに一流と見られていたから。
35才の若さ、芸歴わずか10年にして、伝統ある英国のローレンス・オリヴィエ賞(舞台人に送られる賞)の主演男優賞を2度受賞していました。
(今年度の授賞式が先日おこなわれ、ベネディクトは3度目の受賞を果たしました。明け方にネットストリーミングで授賞式の音声だけ聞いてたわたしってバカ?)
ベネディクトはジェレミー・ブレットの演技に大きな影響を受けたという
世界的な知名度はまだなかったものの、舞台・テレビ・ラジオで活躍していて、その演技力が高く評価されていました。シャーロック・ホームズという、ある意味リスキーな役柄をわざわざやる必要もないくらいな役者さんだったわけです。
ホームズ役って、実際ほんとにリスクが高いと思う。なぜなら、
1 タイプキャストされる。ホームズの印象が強くなりすぎて他の役が演じられなくなる。
2 まかりまちがえば、B級スターのレッテルをはられてしまう。
3 役者自身がホームズにとりつかれる。キャラクターが俳優の人格を乗っ取ってしまう。
(ラズボーンとブレットはこのために苦しんだ)
こういった事実を見ても、シャーロック・ホームズというキャラクターそのものが持つミステリアスなパワーを感じずにいられません。ホームズという虚構が、俳優たちの現実をのみこむ・・・
ベネディクトにその呪いがかかりませんように。若くて聡明な彼なら、きっとだいじょうぶでしょう。ダウニーJr ホームズは、相当脚色をくわえた新しいヒーローキャラですから、ぜったいにだいじょうぶでしょう。
それにしても、『シャーロック』に関してなぜ日本がここまでガラパゴス化してしまったのか、なぜちゃっちゃと放送されなかったのか、まったく理解に苦しむ。BBCがとった「ドラマ放送→一週間後にはDVD発売」の見事な戦略を、なぜNHKは踏襲できなかったのだろうか?
ロンドン五輪もあるし、7月に第1シリーズのDVDが発売されるのにあわせてBSで第2シリーズを放送する腹ではないかなと勝手に予想してますが、そんなちまちました戦略でいいのかねえ・・・
なぜ地上波でやってくれないんだNHK(怒)と、ファイヤーさんが憤られる気持ちが分かります。今NHKの海外ドラマは「グリー」、「アイ・カーリー」もしくは韓流ドラマになってしまっているので、入り込む余地がないですね・・。
ところで、以前の記事にジュード・ロウとダウニ―jrのラブラブすぎるツーショットが載っていたのですが、出典はどこですか?すごく気になります。
まったく本筋と関係なくて、すみません。
放送がないのについ記事にしちゃって・・・
ほんと、海外ドラマといえばアメリカか韓流なんですよね。
日本人の感性には英国ドラマは合ってると思うんだけどなあ。
映画版にももっとふれたかったのですけど、
次回以降にご期待(?)ください・・・
>ジュード・ロウとダウニ―jrのラブラブすぎるツーショット
ダウニーjrがジュードの首に抱きついてる画像のことですよね?
じつはわたし自身出典がわからなくて(ネットで適当に拾ったので)
ちょっとあやしいなあと思ったので削除してしまったんです、ごめんなさい・・・
最近、Photoshopなるおそろしいものがあるのでw
ちょっと慎重になってます。
一応こちらにあの画像が。
http://www.fanpop.com/spots/jude-law-and-robert-downey-jr/images/11701563/title/law-downey-jr-photo
聖典はじめホームズならほぼ全て好き!なので各記事を楽しく拝読させていただいてます。
ひとつ老婆心ながらお知らせしたく。
>ジュード・ロウとダウニ―jrのラブラブすぎるツーショット
はご心配の通りたぶん合成です。
元写真はジュードでなく『キスキスバンバン』の監督のはずです。
ロバダウファンとしては、オリジナル写真で十分萌え萌えだし、ジュードとはほかに仲良し画像&動画が山ほどあるのだから、誤解を招く合成をつくらんでも、と思うのですが。今は動画さえも合成できるみたいで、恐ろしい時代ですね…。
あたたかいご感想をありがとうございます。
わたしはせいぜい聖典とグラナダ版くらいで、
アニメ版も観てないですしパスティーシュも読んだことがないので、
シャーロキアンのみなさんにはさぞかたはらいたいことだろう、と思いつつ書いてます。
ご指摘などあればまたよろしくお願いします。
例の写真、合成ですよね。やっぱりね。
写真や動画も完全には信用できないんだから、すごい時代ですまったく。
ご指摘ありがとうございました。
あ、ちなみに『キスキスバンバン』好きです
「キスキスバンバン」は気になっていたので、近いうちに見るつもりです。悔しいんで(笑)
ちなみにジュード・ロウは「アルフィー」がすごくはまってましたね。
わたしも以前がっくり来たことがあったので(誰の写真かは・・内緒)
深く考えずに載せたわたしの責任ですね、失礼しました!
「アルフィー」良いですよね!大好きな映画です。
ダウニーjrの映画は観てないのが多いんですけど(「チャップリン」もまだ・・)
「ワンダーボーイズ」とか好きです。
トビー・マグワイヤとラブラブになる役で・・・って、
考えてみたらゲイの役がやたら多いんですね。
「キスキスバンバン」で、ぜひ発散なさってくださいw
同じくBBC「シャーロック」にハマっている者です。
シリーズ2はさらにクォリティが上がっていて驚きました。このレベルを維持するのってとても大変だと思う…。だってそこらへんの大作映画よりずっと面白いですよね。
私もYoutubeのビデオの女の子と同じように6話プラスパイロット版(時にはメイキングも含め)をその日の気分でピックアップしつつ何度も、何度も見ています。何度見ても面白いところがこの作品のすごさだと思います。
R.ダウニーJr.は大好きな俳優なんです。素晴らしいアクターだと思ってます。
だけど、ホームズじゃない、って思います。
ホームズっていうよりインディ・ジョーンズだったらぴったりなんじゃないかと…。
彼のチャップリンは最高です。
ベネディクトのホームズは私的にはビンゴでした。彼はこの作品で知っていくつか他の作品も見てみましたがどの役も全く印象が違うので驚きます。インタビューとかの動画を見ていると普通に謙虚で礼儀正しい好青年みたいで全くシャーロックに見えない。表情が違うので別人のようです。彼の演技力は素晴らしい。
この人はいつかアカデミー賞取れる人だと思います。目指せコリン・ファース!!
HobbitやStar Trekでアメリカでも名前が売れるといいのですが。
これって一般的な反応みたいですよね。↓
「変な顔…でも……目がきれい、あ、横顔が素敵、おお、怒涛の早口台詞、かっこいい!なんていい声…あー指まできれいだ。…うわぁ、なんだ、彼ってすっごいセクシーじゃない?」みたいな(笑)。
なんていうか、この人って動いてしゃべっていると仕草や動きがいちいちとてもセクシー。
ベネディクトのシャーロックはめちゃくちゃ色っぽいと思うのです。Brainy is new sexy、ですしね。
かと思うと子供みたいにかわいかったり。
バスカビルの話のジョンにコーヒーを入れてあげたシーンは表情だけでジョンを騙す演技をしていますよね。あの最初のにこって笑った顔、そしてジョンが「砂糖はいらない」と言いかけると一瞬しゅん、とした(ふりをする)ところ、上手いなぁと感心しました。(萌えてもいましたが)
最後まで謝らない上にジョンを実験台にしてしまうシャーロック……ジョンそこで怒らなくていいのか!?アイリーンの電話を最後に渡しちゃうシーンも(このシーンのベネディクトの手の動かし方も素晴らしく美しい)ジョン、甘いよ!と突っ込んでました。マイクロフトといい、なんだかんだ言ってても愛され過ぎていると思うなぁ…シャーロック。
それにしても日本版DVD、高いですよね。
ベネディクトの声を聞かなきゃこの作品は魅力半減だと思ってるので日本語版には興味なくて…。
あまりの値段に購入を躊躇してます。
「シャーロック」ファンのかたからの投稿、ありがたいです!
>そこらへんの大作映画よりずっと面白い
ファンとしては1年以上待たされるのはキツいですけど、
これだけのクオリティのものが観れるのならしかたない、と思わせるくらいの質ですよね。
わたしは最近リピート率が高いのはHounds of Baskervilleです
そうそう、バッチ君が出演した「ミス・マープル」はごらんになりました?
Baskervilleでヘンリーを演じた俳優さんと共演してるんですよね!
バッチ君は『つぐない』で観てたはずなのですけど、まったく記憶になく(汗)
シャーロックでハマりまくりました。
やっぱりみんな最初は「ヘンな顔」から入るんですね(笑)
あの優雅な身のこなしといい、ツンデレぶりといい、ほんとにセクシー!!ですね!
ホームズとしてのセクシーさは、バッチ君自身言ってるように、
ジェレミー・ブレットの遺伝子だろうなあとも思います。
ダウニーjrホームズも、ああいう解釈もあっていいのかな、とも思います。
ガイ・リッチー版も、特に続編はとても楽しめましたし、バディ映画としては傑作ですし。
ただやっぱり、いわゆる「ホームズもの」ではないかもしれませんね。
>バスカビルの話のジョンにコーヒーを入れてあげたシーン
大好きなシーンです。何度もリピってます。
最初観たときは爆笑しちゃったんですよ。シャーロックのあの表情・・・コントだ(笑)
砂糖たっぷりなのに「謝ってるんだから飲んであげないと」って感じのジョン、いいヤツすぎ!
実はアレがああいうコトだったとは気づきませんでした(ネタバレだから書けないのがツライ)。
>ベネディクトの声を聞かなきゃこの作品は魅力半減
吹替えの方もがんばったと思うんですけど(観てないけど)、
自分も3割くらいはベネディクトの声のせいでシャーロックの中毒になってると思う。
彼の朗読をじーっと聴いてるわたしも、かなりCumberbitch!?
シーズン3はどんな風に始まるんでしょうね!
いまから想像(妄想)がふくらみまくりです。
バッチ君がやってたCabin Pressureっていうラジオドラマは聴かれてます?
http://www.youtube.com/watch?v=n9rHXIvFzDc&list=PL9D7F56219832B6FD&index=77&feature=plpp_video
シャーロックと180度ちがう彼のコメディ演技が楽しいです(声だけですが)。
これからの彼の活躍、ほんとに楽しみですね。
見ましたよー。バスカビルのラッセル・トビー君とか、ハリポタのMoaning Myrtleとか、面白い顔ぶれでしたね。なんかベネディクトにばっかり気をとられて肝心のストーリーはどうでもよくて集中できませんでした(笑)。主役じゃないので注意を払ってないと見逃してしまうから一生懸命彼の姿を追ってしまった感じです。
Cabin Pressureはまだ聴いてませんが、彼はコメディも上手いですよね。
彼のJaguarのCMナレーションは有名かと思われますが、いかんせん車の宣伝なので何のことを言っているのやら内容がさっぱりわからないのにそれでも声に聞き入ってたら終わってしまうという…。
このCMがすごく好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=Az2b56Qcz18&feature=results_video&playnext=1&list=PL21107F18AA008CC3
はっきり言って、ベネディクト登場シーン以外は早送りでした(笑)
JaguarのCMもセクシーですよねえ。
ベネディクト声に聞き惚れて内容が入って来ないって、すごくわかる!!
あと、気持ちよ~くなって眠くなったりします。
ハンディカムのCMは知りませんでした。うわ~すてきな声~
ありがとうございます!何百回も聴きそう(笑)