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「~の」のアクセント

2014年03月20日 | Weblog

最近のアナウンサー諸君のアクセントについて、苦言を呈します。アナウンサーとして使う言葉は、共通語を、と教わったことと思います。多くの人が標準語と言っていますが、日本語には標準語は存在しません。標準というのは・・①判断のよりどころや行動の目安となるもの。基準。
②平均的であること。また、その度合い・数値。並み・・とあります(大辞泉より)。これを日本語で考えてみると、基準になったり、平均的なものとしての言葉は決まっていませんね。あるのは“共通語”です。その共通の言葉は何かというと、大雑把には関東語を指していると思われます。東京弁と思われがちですが、東京にも方言がありますし、確かに東京弁が基本に置かれてはいますが、絶対ではありません。何となく関東語なので、アクセントも2つ使われていることも多いのです。で、今日は「~の」の話です。これはアクセント辞典の後段の面倒な説明の中に述べてあるのですが、尾高または中高の最後の音節のみが下段の場合は、原則的に平板化するというものです。たとえば「男」という言葉のアクセントは尾高で、「男がいた」という場合は「オトコガイタ」と、トコが上段の音になります。ところが「の」がつくと、「男の人」は「オトコノヒト」と、平板型になるのです。最近のアナウンサー諸君、アクセント辞典の形のまま「の」をつけて尾高のアクセントで使うのは間違いだと気付いてほしいのです。ただし、例外もあることも同時に勉強してください。

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