The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

感想4

2008年05月05日 | 「オペラ座の怪人」
「リプライズ」



耳を塞いで苦悶するファントム。
この「耳を塞いで」と言う動作は素晴らしいですねええええええ!!!!!!!!!!!!!
聞きたくない。聞いてはいけない。聞いたら壊れる。と言う感じがします。


「嫌だ・・・・!嫌だ!嫌だーーーーーー!やめてくれえええええ!!!!」(意訳)と言う絶叫も秀逸。二人の声を掻き消さずにはいられない切実な思いが伝わってきます。



泣けました。


決壊していく彼の心が分る。

決壊していく心を繋ぎ合わせるのは、この恐ろしい出来事がなかったことにすればいい。

より深い狂気に陥らない為にストーカーになる過程がよく分ります。(ストーカー時点でも狂っているといっていいけど、まだ完全な狂気ではない、と思います)




感想3

2008年05月05日 | 「オペラ座の怪人」
再び「AIAOY」


ユーテューブがアクセスしにくかったり、GW中も忙しくてよく見られなかったので今日また見てみました。


「ファントムなんていないよ」と言うラウルを「どうして信じてくれないの?!」と真剣に怒って突き飛ばすクリス、新鮮です。


「ラウル 私は行った事があるの
夜が果てしなく続く 彼の世界へ
陽の光が闇に飲み込めれてしまう世界へ・・・

ラウル  私はあの人を見たの!
あの姿を忘れる事が出来るかしら
あの顔を忘れる事が出来るかしら
酷く 歪んで 形は崩れ
顔とは呼べないものだった
あの暗闇の世界で」

でラウルにしがみついているのも恐がっている感じがすごく良く出ていていいですね。「しがみつく」という動作が効果的です。

カリスマ声と妖術がなければ「恐怖」だったのですね。そりゃそうです。このクリスだとそれがくっきり。


・・・ですが、その次の瞬間。

「でも あの人の声は
不思議な甘い響きで 私の魂を満たしたわ」

と恍惚状態に。

演技にメリハリがあるのであっけにとられているラウルが「気は確かかい?」的に心配するのも分ります。


原作クリスがラウル視点で「狂ってる」「狂女」とか表現される状態に近いのかもしれません。
「崇拝」「服従」と言うのは映画版でも感じられますが、「狂気」と言うのもクリスの中にあってほしいです。


いや、ファントム的には狂わせるとは行かないまでも二人で闇の世界に・・・と企んでいるでしょうから。



「あの人の声は  不思議な甘い響きで私の魂を満たしたわ
私の心の中に  音楽が生まれた・・・・」

「あの人の目には この世のあらゆる悲しみが溢れていた
恐ろしいけれど 憧れも秘めていた」


心中色々複雑ですが、自分からもファントムの事を忘れたがっているし、結局ラウルを選んだんですね・・・


キャッキャッと笑いながら戯れちゃって・・・・
なんだか心の中のモヤモヤとした懸念もなくなって安心だし、サッパリ!と言う二人ですね。



ファントムのトラウマを踏みにじっている感じです。私も死んだ