漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 377

2024-04-27 05:27:36 | 貫之集

男女、舟に乗りて遊ぶ

まちつけて もろともにこそ かへるさの なみよりさきに ひとのたつらむ

待ちつけて もろともにこそ かへるさの 波よりさきに 人の立つらむ

 

男女が、舟に乗って遊んでいる

待ち受けて一緒に帰ろうと思っているのに、あの人はどうして波が立つよりも先に帰ってしまうのでしょう。

 

 「待ちつく」は待ち受けて出会う、待ち迎える意。第三句「かへる」は「(波が)返る」と「(相手が)帰る」の掛詞、第五句「立つ」は「波」の縁語ですね。