漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 354

2024-04-04 05:10:41 | 貫之集

紅梅のもとに女どもおりて見る

ゆきとのみ あやまたれつつ むめのはな くれなゐにさへ かよひけるかな

雪とのみ あやまたれつつ 梅の花 紅にさへ かよひけるかな

 

紅梅のもとに女たちが車から降りて見ている

雪かと見間違えるばかりに白く咲きながら、梅の花は赤味も帯びて紅花にも似通うほどになっているよ。

 

 この歌は新千載和歌集(巻第一「春上」 第50番)に入集していますが、そちらでは清原元輔(きよはら の もとすけ)作とされています。015158337 で拾遺和歌集において同じことが生じていますが、同様の事情によるものでしょう。