漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 368

2024-04-18 04:56:41 | 貫之集

女、柳を見る

あをやぎの まゆにこもれる いとなれど はるのくるにや いろまさるらむ

青柳の 繭にこもれる 糸なれど 春のくるにや 色まさるらむ

 

女が柳を見ている

繭にこもっている青柳の糸ではあるけれど、春が来るからだんだんと色づいてきている。

 

 第四句「くる」は「(春が)来る」と「(糸を)繰る」の掛詞になっています。
 まだ色味の薄い柳を繭から紡ぎ出される前の糸に喩え、それが春の訪れとともに青く色づいて行くさまを詠んでいますね。