古今和歌集 0836 2022-02-12 05:59:09 | 古今和歌集 せをせけば ふちとなりても よどみけり わかれをとむる しがらみぞなき 瀬をせけば 淵となりても よどみけり 別れをとむる しがらみぞなき 壬生忠岑 流れの早い瀬でも、堰き止めれば淵となって淀むもの。だけれども、死んで別れて行くあなたをとどめてくれる柵はないのだ。 詞書には「姉の身まかりにける時によめる」とあります。早瀬でさえ堰き止めれば水が淀んでその場にとどまるのに、死にゆく人をとどめるすべはないとの嘆きの詠歌です。