最低賃金1,500円目標。
共産・社民が「票欲しさ」に「聞こえの良い言葉」を並べていたが、結局前回の衆院選・先日の参院選ではその訴えは不発。
そりゃ、働く側としてはありがたいが、「お金を払う側」には「一気に500円アップ」は無理な話。
私は経済学者ではないけど、一企業人として今回、「一気に500円アップするとシワ寄せがその分消費者に返ってくる理屈。」を3回に分けて解説してみたいと思う。
※これは、あくまで一企業人としての経験談による私見です。専門家の見解では無いのでお間違えなく。
まず、彼らの言う、「大企業の過剰な内部留保を労働者の賃金に回します。」とご立派な公約を掲げているが、内部留保の分配が見込めない中小企業や零細企業はどうするのか?
一気に500円UPすると、間違いなく消費者に跳ね返ってきますよ。
急な賃金増は物価高につながる、それを簡単に説明しましょう。
先日の便利グッズでUPした、ダイヤモンドシャープナー。
簡単に研げるアイテムが有る事を知らなかったので、今までは新品を買っていた。
価格は3,500円程。
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物はこちらで、さながらノコギリザメの口だぁ・・・(^^;)(因みに、新品ではない。使って刃がボロボロ。)
この価格を妥当と判断し買っていた訳。
理由はね、この複雑な形状を安価で研ぎ直す(「再研」と言います)には、それなりの収益が見込めなくてはならないわけ。
1.専用の高価な研磨機を持っていて
2.それなりに大量の再研依頼が有り
3.高価な研磨機を購入・維持しても元が取れる
そんな裏付けが無いと、専用の高価な研磨機は買えない。
機械が無ければ手作業だよなぁ・・・。手作業で再研では3,500円くらいで請け負ってくれるところは無いだろう、そう思ったから。
実際のところ、100円でダイヤモンドシャープナーを買って素人の私が研いでみると、最初は1セット4時間かかった・・・(><) → 過去ログ
今なら慣れてきたから3時間くらいかな。
さて、これを時給で換算すると、最低賃金1,000円で考えれば、4時間で4,000円。
仮に再研請負メーカーが有ったとした場合、手間賃だけで4,000円はかかるだろう。すると、
新品で3,500円台なら妥当じゃんw
そんな計算になるわけね。
さて、では、仮に「EP再研」なる、個人事業者が、3,500円で請け負っていたとしよう。
では、これから 共産・社民が政権を取って、「最低賃金1,500円です」と一気に上げたらどうかな?
新品を売っているマキタは大企業。
共産・社民の主張する莫大な内部留保から賃上げ分を充当すれば、4,000円くらいに価格は上がっても新品は作れるだろう。
(「えっ? 何で上がるの?」って思うかもしれないけど、それは次回で解説します。)
ところが、「EP再研」では、時給1,000円で3時間+諸経費500円 で見積もってるから、これが時給1,500円で3時間+諸経費500円 で、5,000円で受注しないとやっていけなくなる。
「個人事業者だから経営者でしょ?」
そうかもしれないが、莫大な内部留保なんて、収益が生活費に直結する個人事業者に有るわけがない。
労働者を兼ねている個人事業者が、最低賃金1000円のままでいいわけ無いよね。
消費者の立場とすると、1000円安いマキタの新品を買うよね?
(私だったらダイヤモンドシャープナー持っているから、自分で再研(笑))
でも、EP再研の3500円から、マキタの4000円にする事になるから、実質500円の値上がりで、その負担は消費者持ちになる。(ねっ? 消費者に返ってきてるでしょ)
そして、個人企業「EP再研」は客が奪われ、やがて受注が減って潰れます。 → 失業者が出ます。
(倒産が1件だけで済むと思います?)
失業者が再就職できないと、どうなる? → 生活苦 → 生活保護受給 → 生活保護者が増える → 生活保護費の支出が増える → 財源不足 → 増税
巡り巡って、今度は間接的に消費者の負担が増えるわけ。
(あれあれ? 消費税率下げろ!って言ってたよねぇ、共産社民党さん。)
因みに、体力のない中小企業の倒産は1件で済まなくなるから、「中小企業が危ない」と共産社民政権は大慌て。
雇用を確保して中小企業や個人事業者を生かすには?
1.政府の中小企業の個別援助(税金投入による)
2.消費者のボランティア精神で中小企業に発注(これは払う側としては抵抗あるでしょ? だから、実質1しかないよね。)
雇われる側としては、「最低賃金を一気に1500円に上げる」は収入増で魅力的だけど、消費者側としてはそれと同等かそれ以上の出費が見えない所でも跳ね返ってくると、十分予想されるわけ(><)
今回は、一気に最低賃金500円の増は物価高につながる仕組み、を解説しました。
次は、大企業の製品でも値上がる理由、を解説します。