2289 目脂(めやに)?結構よくある質問です。この質問をしてくる人は、相当、押出成型に興味を持っている人で、品質に対して責任を背負っている人だと思う。
目脂とは、溶融金型から樹脂が出る場所に目脂のように、流れている樹脂よりちょっと硬い樹脂が付いてしまい、それが、人間の目脂のように見えるからです。50年前から、そう言っていましたが、業界では、共通語になっているようです。
原因は?です。出口付近だけでなく、内部に傷があれば、そこで樹脂が引っ掛かって、停滞し、長時間高温に置かれるので変質をし、それが、徐々に出てくる、と、考えるのが一般的でしょう。しかし、傷などない、引っかかりなどないように、磨き上げても、全くなくなることはない。何千M、何万M流しても、全く、出てこないということはないでしょう。
樹脂自体が乾燥不足や別の樹脂や無機物質が混じっていれば、表面の艶が無くなり、ざらついたような状態になり、チューブの場合、ノズルやマンドレルの先端全面に、或いは一部に目脂が溜まる、のは、問題外です。そんな状態で流し続ける人はいないでしょう。溶融樹脂の表面の荒れを直すことが先決です。目脂以前の問題です。
どうすればいいか、とにかく樹脂の乾燥は十分にする、金型の中の樹脂が溜まるような場所を無くす。引き落とし率を少なくするのも手かもしれない。また、マンドレルやノズルの先端を微妙なRにするのもいいかもしれない。金型内の合せ部分を少なくするのもいいかもしれない。考えられる方法をやってみたが、限りなく少なくすることはできても、完全に無くすことはできないと思った方がいい。
何時間に一回と決まった時間に生産を止めて、掃除し、再スタートする方法も考えられる。
目脂が付着しているだけなら、問題は起きない。ある程度の大きさになると、問題は、製品に付着して、一緒に流れてしまうことです。外側なら、目視で分かるから、ある程度の大きさになったら、取ることができるし、製品についてしまってもその部分だけNGにすればいいが、内側に付着していれば、溜まっても、取り除けないし、製品について行ってしまっても分からない。
径の小さい製品で中が見えないものは、どうすればいいか。赤外線やX線で内外径の寸法検査をする装置も考えられるが、一瞬の事なので、発見できない可能性の方が高い。製品の内側に鉄の玉や棒を入れ、磁石で定位置に固定しておく、動いてしまえば、そこに、目脂が付いていて、内径に邪魔物があることを知らせてくれる。直ぐ後の金属感知器の反応で、巻取りや切断を止める。それが、確実です。何千M巻きのチューブに一か所でも、内径に邪魔物があっては成らないという製品は多い。
40年前の住友の押出機と35年前のハギノの引取機自動カッターです。インドネシアで活躍していますよ。目脂 異物 焼け