Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

効率と非効率

2005年05月02日 | old diary
 効率というものについて考えてみよう。

 一昨日の22時35分、僕は最寄り駅のホームにいた。そして、昨日の22時35分にも、僕は最寄り駅のホームにいた。言うまでもないことだけど、ずっとそこにいたわけじゃない。この間、僕は夜行電車の中で仮眠をとり、背中にザックとスキーを担いで6時間の雪道を歩き、頂上を踏み、そこからスキーで登山口まで滑り降り、バスと電車に6時間ほど揺られ、再び最寄り駅のホームに辿り着いたのだ。

 時間にして24時間。つまり、1日あればこれくらいのことが可能であることを、僕は証明したと言っていい。

 しかし、だからといって、やりたいと思いますか?重要なのは、それが可能かどうかではなく、それをあなたがやりたいのかどうか?ということなのだと、僕は声を大にして言いたい。

 例えば、僕が一昨日の夕方頃には山のふもとにいたとしよう。キャンプ地でおいしい鍋を作り、「明日があるからほどほどにしとこうか」とひとり2本までのビールを飲む。テントの中、山のしんしんとした空気に包まれて眠る。翌朝、出発。自分の実力以上の急斜面に痛めつけられながらも、天気が崩れる前にはどうにか下山。この日は近くの温泉宿へ。まずは風呂にはいって、1日の疲れを癒す。それから質素ながら心のこもった食事いただく。信州蕎麦にイワナの塩焼き。よく漬けた茄子に山菜のおひたし。白いご飯にあたたかい味噌汁。「お疲れさん。いやぁ、しんどかったけど、頂上まで行けてよかったね」とお互いの頑張りをねぎらって乾杯。酒と心地良い充実感に酔いつつ、いつしか夢の中へ。翌日、少し早めの時間の電車で家路につく。「今度はどこに行こうか?」と、次の計画をあれこれたてながら…。

 ほら、ちょっといい感じでしょ。時間にして72時間(推定)。これだけのことをするには、3日ほど必要かと思われる。

 山を登って滑り降りることなら、1日あればできる(というか、できた)。しかし、今回の場合、僕はほとほと疲れてしまい、「山スキーはもういいかな?」と思ってしまった。でも、もしもゆとりがあったなら(つまり、鍋を作ったり、温泉に入ったり、おいしい食事をしたり、ビールを飲んだり、ゆっくりと寝ることができたなら)、「山スキーもいいもんだな。また、行きたいな」と思った…かもしれない。

 結論:効率がいいことや無駄のないことが、必ずしもよかれとは限らない。

 ま、おかげで時間はできたから、これから他のことができるけどね。なにしようかな?ゆっくり考えるとしよう。