翻訳者魂

人間は関係を持ちたい。人間は知られたい。人間は参加したい。人間は貢献したい。人間は自分に価値があると思いたい。

召使いへの助言

2005-09-19 00:31:31 | 女主人と召使い
「召使い」という言葉は、民主主義的に見て、何の問題もないはずです。ただの名詞です。「銀行家」とか「セールスマン」とか「主婦」とか、そういった個人の職業を表しているに過ぎません。このブログを読んでいる召使いや、召使いを雇っている女主人は、「召使い」という言葉を、それが礼儀と尊敬を伴って創作された言葉ということを理解してください。

家事という仕事には、それ以外の大部分の仕事では要求されないものが要求されます。召使いは、細心の注意を払って、自分のことのように、他人の世話をしなければならないのです。女主人が快適に楽しく生活できるようにするために、毎日、毎日、単調で簡単で逃げたくなるような仕事を行うのです。他人の財産の価値が落ちることのないように、また、他人のお客様を寛がせるために、また、他人のお金を節約させるために、召使いは奉公するのです。

召使いなら、男でも女でも、きちんとしていることが大切です。夕食の支度をする女中は、きれいに糊をきかせたブラウスとパリパリのエプロンを着用しなければなりません。爪の先の内側が黒かったり、手が汚れたりしていることは許されることではありません。召使いは常に清潔で、美しい身なりをしていなければなりません。

召使いは正直者でなければならない、とあえてここで言う必要はないでしょう。召使いは、家での立場上、いろいろな秘密を知る機会があります。しかし、仕えている家のゴシップは、口が裂けても漏らしてはいけません。

召使いは、女中と女主人の両方ともが洗練された人格を持たなければならないことを知っておいてください。躾けのいきとどいた女中は、思い通りにならない状況に遭遇しても、ひねくれることも、むっつりすることありません。また、奴隷のようになることも、傲慢になることもありません。召使いは、女主人に尊敬の気持ちを持って接しますが、卑屈である必要はないのです。自分の仕事を真剣にこなし、女主人の依頼を、そのまま実行するのです。しかし、依頼された事柄を、もっと速く、もっと満足できるように、行える方法があるのなら、そのときは、女主人に許しをもらって、その方法で仕事を行います。間違いをして叱責された場合は、粗野な態度をとったり、怒ったりしてはいけません。落ち着いて、静かに、自分の意見を言ってください。

きちんとした女主人なら、召使いのすぐれた能力や礼儀作法や良心的な仕事に気付くのにそう長くはかかりません。まじめに仕えれば、女主人は、きっと、あなたを丁寧に礼儀正しく扱ってくれるはずです。

女中は、女主人になれなれしくしてはいけません。しかし、「誠実な女中」と「親切で優しい女主人」との間にはある種、友情のような感情が育まれることがあります。いくら階級が違っても、友情は、壁を壊すのに十分な力を持っています。

召使いは、他人を手助けすることにこそ、幸せがある、ということを理解しようではありませんか。真実、忠誠、正直な奉公を、世間は見逃しはしません。必ず、報われますよ。

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