15年前の今日、甲状腺乳頭癌のため甲状腺の全摘出手術を、松本の信州大学医学部附属病院で受けました。午後1時に手術室に入り、終わったのが午後10時近く。8時間以上の、20針を縫う大手術となりました。私は麻酔で寝ていただけですが、ずっと待っていた家族は大変だったようです。
振り返ってみると、当時は塾業界に転職して4年目の35歳。自分の健康を気にすることなく仕事に打ち込み、塾講師に典型的な夜型の生活。毎日晩酌し、運動も皆無。自著出版とマイホーム新築も重なり、多忙を極めていました。体からのSOSだったのかも知れません。
手術後は反省して、健康や家族との時間の優先順位を上げましたが、職場で要職を任されたこともあり、気づけば再び仕事の優先順位が最も上に来ていました。不惑の歳を迎えたちょうど10年前、今後の自分の人生設計を改めて考え直しました。
そして、自分の思い通りの人生を送るには、英語指導という好きな仕事を自分のやりたいようにすることが最も大切だと気づき、独立開業を決意し、現在に至ります。あの時に背中を押してくれた家族と高校時代の同級生たちには、感謝してもしきれません。
明日は自身3回目のフルマラソンとなる松本マラソン2022に出場します。2007年11月13日、いつもの日常に早く戻りたいという思いだけで、大手術の翌日に覚束ない足取りで病院の階段を上り下りしていた自分。15年後のその日にその街でフルマラソンを走っているなんて、当時は想像できるわけがありません。
今回の松本マラソンは、高低差が激しい屈指の難コースです。練習量も内容も体調もこれまでになく万全ですが、どんなに準備したって、フルマラソンは最後の10kmが苦しくなります。でも、そんな時こそ15年前の病院で辛い思いをしていた自分を思い出し、健康、家族、大会関係者、そして、平凡な日常に感謝し、最後まで笑顔で走り抜けてみせます。