平成21年12月21日付けで、平成21年度オンライン申請等手続システム評価ワーキンググループ中間報告書(PDF)が公開されています。
本報告書は、電子政府評価委員会に設置されたオンライン申請等手続システム評価ワーキンググループによるもので、今年度(平成21年度末)に停止すべき電子申請を指摘しています。
これまでの経緯を含めて整理すると
・国の電子申請システムは、H20年度末で64システムあった。
・利用率が10%未満のシステムが15システムある。
・そのうち、利用率が1%未満のシステムが8システムある。
・昨年度に指摘を受けた2システムは既に停止済み(=62システムに)。
・今年度(21年)は、利用率10%未満を中心に13システムの個別評価を実施。
・8システムについては、利用改善が見込まれないため21年度末で運用停止。
・その他の5システムは、利用者への影響や契約期間等を考慮して、条件付きで当面継続。
となっています。
★平成21年度末で停止されるシステム
・財務省 国税庁電子開示請求システム
・財務省 財務省電子申請システム
・農林水産省 農林水産省電子申請システム
・内閣府 汎用受付等システム
・総務省 総務省電子申請・届出システム
・厚生労働省 予防接種・衛生検査等申請システム
・公正取引委員会 オンライン共通受付システム
・警察庁 申請・届出システム
★利用改善等を条件に継続されるシステム
・総務省 政治資金・政党助成申請・届出オンラインシステム
・厚生労働省 労働保険適用徴収システム
・国土交通省 国土交通省オンライン申請システム
・経済産業省 経済産業省汎用電子申請システム(ITEM2000)
・経済産業省 貿易管理オープンネットワークシステム
●「不合格」判定された電子申請
電子政府の評価メモでも触れていますが、評価後の指示(具体的な行動へ結びつくもの)は、次のように分類できます。
1. 良:継続
2. 可:改善を指示
3. 条件付で可:縮小、分離、統合、代替措置など
4. 不可:予算凍結して廃止
2までが合格ラインであり、3以下は不合格となる。3と4は、会社で言えば、事業整理や企業再生にあたる。
今回の措置は、8システムが「不可」で、5システムが「条件付で可」となっていますね。
作者が勧める電子政府施策の展開は、
・小規模な施策から始め、「良」の評価を得たものに追加投資を行い、事業を拡大していく
・改善の見込みが少ないものは、早めに統合・整理を行う
・人気のあるサービスは、分離・独立させる
・優れたサービスに基準を合わせて統合・標準化を進める
・いわゆる「弱者連合」となる統合は避ける
電子申請サービスを例にすれば、利用者の厳しい目に触れ、高い満足度を維持し、競争に勝ち残ったものを、電子申請サービスの標準とするのが良いでしょう。
●国の電子申請システム整理、これからが正念場
こうしてみると、電子申請の整理・統合は順調に進んでいくようにも見えます。
しかし、正念場は、実はこれからです。
と言うのも、運用停止が進んでいるのは、ほとんど残りかすみたいなものばかりで、運用停止によるコスト削減効果も低く、将来の電子申請に影響を与えるような重要なシステムは、ほとんどノータッチで延命されていくからです。
そうしたシステムには、イーガブの電子申請システムや自動車ワンストップだけでなく、公的個人認証や住基ネットなどの各種インフラも含みます。
詳しいことは、電子申請の現在と未来で、少しずつ明らかにしていきたいと思います。
本報告書は、電子政府評価委員会に設置されたオンライン申請等手続システム評価ワーキンググループによるもので、今年度(平成21年度末)に停止すべき電子申請を指摘しています。
これまでの経緯を含めて整理すると
・国の電子申請システムは、H20年度末で64システムあった。
・利用率が10%未満のシステムが15システムある。
・そのうち、利用率が1%未満のシステムが8システムある。
・昨年度に指摘を受けた2システムは既に停止済み(=62システムに)。
・今年度(21年)は、利用率10%未満を中心に13システムの個別評価を実施。
・8システムについては、利用改善が見込まれないため21年度末で運用停止。
・その他の5システムは、利用者への影響や契約期間等を考慮して、条件付きで当面継続。
となっています。
★平成21年度末で停止されるシステム
・財務省 国税庁電子開示請求システム
・財務省 財務省電子申請システム
・農林水産省 農林水産省電子申請システム
・内閣府 汎用受付等システム
・総務省 総務省電子申請・届出システム
・厚生労働省 予防接種・衛生検査等申請システム
・公正取引委員会 オンライン共通受付システム
・警察庁 申請・届出システム
★利用改善等を条件に継続されるシステム
・総務省 政治資金・政党助成申請・届出オンラインシステム
・厚生労働省 労働保険適用徴収システム
・国土交通省 国土交通省オンライン申請システム
・経済産業省 経済産業省汎用電子申請システム(ITEM2000)
・経済産業省 貿易管理オープンネットワークシステム
●「不合格」判定された電子申請
電子政府の評価メモでも触れていますが、評価後の指示(具体的な行動へ結びつくもの)は、次のように分類できます。
1. 良:継続
2. 可:改善を指示
3. 条件付で可:縮小、分離、統合、代替措置など
4. 不可:予算凍結して廃止
2までが合格ラインであり、3以下は不合格となる。3と4は、会社で言えば、事業整理や企業再生にあたる。
今回の措置は、8システムが「不可」で、5システムが「条件付で可」となっていますね。
作者が勧める電子政府施策の展開は、
・小規模な施策から始め、「良」の評価を得たものに追加投資を行い、事業を拡大していく
・改善の見込みが少ないものは、早めに統合・整理を行う
・人気のあるサービスは、分離・独立させる
・優れたサービスに基準を合わせて統合・標準化を進める
・いわゆる「弱者連合」となる統合は避ける
電子申請サービスを例にすれば、利用者の厳しい目に触れ、高い満足度を維持し、競争に勝ち残ったものを、電子申請サービスの標準とするのが良いでしょう。
●国の電子申請システム整理、これからが正念場
こうしてみると、電子申請の整理・統合は順調に進んでいくようにも見えます。
しかし、正念場は、実はこれからです。
と言うのも、運用停止が進んでいるのは、ほとんど残りかすみたいなものばかりで、運用停止によるコスト削減効果も低く、将来の電子申請に影響を与えるような重要なシステムは、ほとんどノータッチで延命されていくからです。
そうしたシステムには、イーガブの電子申請システムや自動車ワンストップだけでなく、公的個人認証や住基ネットなどの各種インフラも含みます。
詳しいことは、電子申請の現在と未来で、少しずつ明らかにしていきたいと思います。
・国土交通省 国土交通省オンライン申請システム
国交省オンライン申請システムは、
http://www.goa.mlit.go.jp/info/b_2009122502.html
国土交通省オンライン申請システムの「電子政府の総合窓口」(e-Gov)への統合について(平成21年12月25日更新)
だそうで、国交省は「廃止」ですね。ただし、専用システムは従来どおりで運営していきます。
本年も、どうぞよろしくお願い致します。
廃止と言えば廃止なのですが、実際のコスト削減効果などは、あまり期待できないと思います。
と言うのも、国土交通省オンライン申請システムをe-Govへ統合しても、受付機能だけが廃止されて、本体の処理機能は残るからです。
実際、これまで多くの省庁汎用受付システムがイーガブに統合されましたが、各省庁の汎用システムは残っており、毎年数千万円から億単位の維持費用が計上されています。
こうした処理機能こそ、業務の標準化・類型化を進めて、共同利用のシステムとすれば良いのですが、今の統治構造では新たな無駄遣いとなる可能性が高いので、今は我慢の時と考えています。
長期的に見れば、より簡素で柔軟性の高い電子申請システムへ移行していくと思いますが、もう少し時間がかかりますね。
なかなかいい分析ですね。
学生にお伝えしようと思います。
ご無沙汰しております。
電子政府への若い人たちの参加を期待しております。よろしくお願いします。
次のパブコメから。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=145207607&Mode=2
認証業務及びこれに附帯する業務の実施に関する技術的基準の一部を改正する告
示案に対する意見募集の結果について
意見提出は調査士会のみでしたが、次に一部引用。
「日調連認証局にあっては、日調連が定める特定認証局運用規程(「CPS」と称
する。)の「証明書の鍵更新」においては、CA秘密鍵(「認証局秘密鍵」とい
う)の更新を5年ごとに行うと定めており、平成22年秋にこの更新時期を迎える
事情にある。 今般、委託業者に、この更新に係る費用を見積もらせたところ、
開設時の認証局システム構築費を上回る改修費用額を提示され、戸惑いを覚えた
ところである。 委託業者から、仔細に説明を求めたところ、この改修費用に
は、現在の秘密鍵の暗号アルゴリズム(SHA-1及びRSA 1024)は、危殆化が急
速に進んでいることから、新暗号アルゴリズムへの移行に備える経費を含めてい
るとのことであった。」
この費用負担が馬鹿にならず、持ちこたえることのできない認証業務事業者は撤退するのではないか。既にそのよていあり。
いつもコメントありがとうございます。
平成15年に作られた「電子政府推奨暗号リスト」
http://www.cryptrec.go.jp/list.html
も平成24年度の改訂に向けて作業が進められているようですが
http://www.meti.go.jp/press/20091001008/20091001008.html
それに対応する認証局は大変ですね。
暗号の2010年問題
http://www.nttdata-sec.co.jp/article/security/080306.html
http://www.hde.co.jp/press/column/detail.php?n=200912240
は、セキュリティ業界にとっては特需だと思いますし。
士業の認証局は、行政書士や公認会計士がやっているように、発行局と登録局共に外部委託して、登録局との照合確認だけ行う方式へ移行するのが良いと思いますが、受け入れてくれる委託先があるのかどうか。。。最近の認証事業者事情がよくわかっていませんので。。
個々の弁理士が認証局を選択するのです。認証事業者を選択すればいいだけだから、これほど簡単なものは無い。
今後は、士業の電子証明書はこのながれになるかもしれませんね。
士業共通認証局なるどうでもよろしい構想があるようですが、一部のセキュリティ業者の甘言に乗せられないようにしたいものだ。
>士業の認証局は、行政書士や公認会計士がやっているように、発行局と登録局共に外部委託して、登録局との照合確認だけ行う方式へ移行するのが良いと思いますが、受け入れてくれる委託先があるのかどうか。。。最近の認証事業者事情がよくわかっていませんので。。
弁理士さん方式がありましたね。すっかり、忘れてました。
http://www.manaboo.com/archive/egov_151201_legalservice.htm#denshi
http://www.inpit.go.jp/pcinfo/preparation/purchase/index.html
電子申請に限らず、申請等で士業の資格が問われることはありませんので(資格が無くても申請できるのは当たり前のことですから)、個人の電子証明書で十分なんですよね。
依頼者にとっても、個人の識別ができれば、後は士業の組織に資格の有無を問い合わせたりすれば良いだけですから。
士業共通認証局を作るのは勝手ですが、間違っても税金を使って作ることのないように。。。
まあ、政府もそこまで大盤振る舞いはしないと思いますが。。