Manaboo 電子政府・電子申請コラム 

電子政府コンサルタントの牟田学が、電子政府・電子申請、その他もろもろ、気まぐれにコメントしてます。

電子政府と補正予算、電子私書箱もクラウドも急ぐ必要無し

2009年10月10日 | 電子政府の評価
先日、東京新聞から取材を受けました。

補正予算の見直しが進められる中で、電子政府関係でも削減が必要なのでは。といった内容でした。

一般紙における電子政府の記事は、その多くが結論ありきで進められるので、深いものとはなりません。しかも、その大半は批判的な内容となります。けれども、一般の人に電子政府の現状を知ってもらう機会が増えるのは良いことと思います。

今後は、「こんなに便利になった」とか「少ない予算で作ったサービスであるが、好評を博している」といった風に取り上げてもらえるよう頑張りたいものです。


●電子私書箱もクラウドも、急ぐ必要は無い

今回の補正予算見直しでは、公的個人認証に新たな機能(電子署名とは別に、アクセス用の認証を追加する)をつけることなどは、削られるようです。

もともと、電子私書箱を前提した機能追加なので、特に急ぐ必要は無いですね。

今後の電子政府は、かなり慎重に進める必要があります。

電子私書箱もクラウドも、急ぐ必要は全くありません。

これまで走りっぱなしだったのですから、一度立ち止まって、社会保障や公務員改革などの制度変更を待って、それから情報システムを見直していけば良いのです。

霞ヶ関クラウドも、新たなシステム開発が必要なものは、先延ばしされることになるでしょう。

せいぜいが、複数省庁が共同利用する共通業務システムに関連して、サーバやストレージの整理・整頓と仮想化・共同利用化を進めるぐらいでしょうか。

まずは、省庁がどれだけのサーバやストレージを保有していて、共同利用可能なものがどれだけあるかを調べる必要がありますね。


●民間クラウドを活用しよう

これからは、制度の見直しに伴い、一時的に必要となるシステムが出てくるでしょう。例えば、定額給付金の支給やエコポイント受付・還元などです。

こうしたシステムは、民間のクラウドサービスを利用して、短期間に構築・利用するのが良いでしょう。 

政府としては、省庁や自治体が民間クラウドサービスを利用する際の基準や注意点を明確にしておけば良いのです。

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米国でも、民間クラウドによる政府向けのサービス提供が活発になってきました。

これは、どういうことかと言うと、「政府が一元的・集約的に霞ヶ関クラウドを作って管理しようとしても、ユーザーである各省庁や自治体が、使いやすくてお金も時間も節約できる民間クラウドを利用したいというニーズは無くならない」ということです。

となれば、民間クラウドの利用を前提としたルール作りやデータ管理、危機管理・リスク管理、情報共有などを考えておかないと、後で痛い目を見ることになると思うのです。


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