孫娘のricoちゃん、5歳になったけれど、ママッ子でなかなかママと離れられない。
でも、たまにはおばあちゃんちに泊まってみたい。
でも自信がない…。
「お父さんなんか、もっと小さい頃から、一人でおばあちゃんちに泊まってたんだぞ!」なんて、威張ってみせるお父さん。
「私も行きたいけど、でも、ママがいないのはヤダし」
心の中で葛藤を繰り返していたけれど、とうとう「おばあちゃんちにお泊まりに行きます」と連絡が来た。
記念すべき初お泊まり、ricoちゃんが自信を失うことのないように、万全の準備をして楽しい一晩を過ごして欲しい。
昨日午後4時頃にお迎えに行き、おじいちゃんとお風呂、おいしく夕食を食べて、8時にはお布団へ。
そして、用意しておいた本(「いやいやえん」を買っておきました)を読み聞かせ、「お休みなさい」と順調にことは進んだ。
ところが、お家でも寝付きの悪いricoちゃん、お布団の上をゴロゴロするが、なかなか就眠できない。
私に抱きついたり、持参のお人形を抱きしめたり、何とか眠る努力をする。
私も、背中をさすったり、トントンしてみたり、おつむを撫でたりするけれど、なかなか効果は現れない。
ちょっと神経質なところのある子だし、いつもと違う環境で、ママもいないのだから、寝付けないのは無理もない。
でも、泣き言も言わず、グズリもせずに、一生懸命眠ろうと努力をしているのが傍目にも明らかである。
部屋を真っ暗にした中で、孫娘の小さな背中を見つめていると、あまりにいじらしくて、いとおしくて涙が出てきた。
私は、この子を将来に渡って守っていくことはできない。
祖母として、この子の人生のほんの一部分に関わることができるだけ。
これからの人生には、辛いこと、苦しいこともあるだろう。
でも、年の差がある私には、それを取り除いてやる力もないし、時間もない。
ただ、今この時を、こうして慈しんでやることしかできない。
それでもね、こうして無条件に、すっぽりと愛してもらった記憶は、この子に何か力を与えることができるかもしれない。
深く愛された記憶は、体に刻みつけられて、将来の自信に代わるかもしれない。
「私を愛してくれた人がいた」という記憶を、頭の片隅にでも残しておいてくれるといいな。
そんなことを考えながら、小さい背中の緊張がほどけて、眠りに入っていくまでを静かに見守った。
何と言われようとも、孫というのはカワイイものなんです。
子供とはまた違った味わいを、私に与えてくれます。
ricoちゃんは、初お泊まりを無事クリアし、夏休み特別サービスの「サンリオピューロランド」へも行き、大満足で帰宅した。
「またお泊まりに来るね、いい?」
自信も付いたらしい。
おばあちゃんとしての使命も、無事果たし終えた。
次はいつ来るのかな?