ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

SFマガジン 2023年12月号

2023年12月15日 | 本を読んだで

2023年12月号 №760     早川書房

雫石鉄也ひとり人気カウンター
1位 母と皮膚         小野美由紀
2位 堅実性          グレッグ・イーガン   山岸真
3位 本性           草上仁
ホライズン・ゲート 事象の狩人 矢野アロウ 未読
八は凶数、死して九天(後編)  十三不塔

連載
空の園丁 廃園の天使Ⅲ(第20回)  飛浩隆
マルドゥック・アノニマス(第50回) 冲方丁
戦闘妖精・雪風 第五部(第10回 対抗と結託) 神林長平
ヴェルト 第一部 第三章       吉上亮
小角の城(第72回)          夢枕獏

ソラリス ♯1~2 原作:スタニスラフ・レム/マンガ:森泉岳土 

 この号はとくだん、特集企画はなし。ウリは「ソラリス」の漫画とイーガンの新作中編。企画力のネタ切れか。
 その「ソラリス」の漫画と、第11回ハヤカワSFコンテスト受賞作は冒頭掲載。こんな中途半端なことはやめてくれ。掲載するのなら全編一挙掲載して欲しい。読みたければ、こんなもんは読まずに単行本がでたら読む。こういう形式の掲載の意味が判らない。映画の予告編のつもりか。映画と小説では違う。
 1位にあげた小野美由紀さんの「母と皮膚」が非常に良かった。この作品と、「ピュア」イタリア語版翻訳者のアンナ・スペッキオさんの対談を読むと、ジェンダーレスとはいかなるモノかがよく判る。「男らしさ」「女らしさ」なんて頑迷なことをいってる人(小生もそのうちの一人)は必読。目から鱗となること間違いなし。
 現代の日本のSFで斜線堂有紀さんと小野美由紀さんは、注目すべき作家である。