Mighty Mice Regrow Organs臓器の再生が可能との話題である。ものすごい話である。しかもそれがそんじょそこらの生物で観察されたという訳ではない。基礎医学の研究において頻繁に用いられているマウスである。基礎医学では人体に可能な限り近似の動物個体が用いられる事になっている。皮膚移植にブタ皮膚を利用するのには、その意味合いがある。種々の動物利用の中でも「ヒトとの関連性」を問題にしているのだ。マウス・ラット・モルモットというゲッ歯目はこの観点では動物の中でダントツである。現代の基礎医学を「哺乳類の生物学」と揶揄した著名な解剖学者がいたが、仕方がない。このマウスで臓器が再生可能という例が発見されたとなると、必ずやヒトにおける臨床応用が議論される。私個人としては、若かりし頃のタバコの影響やアルコール漬けでない、クリーンな私のスペアの脳を作っておいて、入れ替えたくなる気持ちが生じる事がある。(笑)ある組織・器官が"再生"可能ならば、クローン技術等を用いなくても、一部を切除して放っておけばみるみるうちに、もとの組織・器官が発生・分化して来るのだろう。臓器移植と再生医学、そして形成外科学やリハビリテーション医学などにおける今後の需要はどうなるのであろうか?まずは臓器再生可能と判断される遺伝子配列のスクリーニングが必須であろうし、それがヒトで応用可能かどうか議論される事であろう。医学倫理・生命倫理の分野では、何よりもSF的イマジネーションが大切であると常々私は思っている。
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