Dr. Mori Without Borders / Mori-san Sans Frontieres

森 一仁が医学・国際政治経済金融・人文教養教育など関心問題を国際的・学際的に考える。

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トランプ大統領の国境問題

2017-09-18 22:21:03 | 地球社会:国際政治経済金融
 トランプ米大統領の公約の一つであるメキシコ国境での壁建設は一部でレイシズムであるかのように受け取られているが、調べてみると実は違うようである。米墨国境沿いにフェンスがあるが、これは90年代に既に建設が始まっており現在も継続している。何もトランプ政権で始まったプロジェクトではなかったのである。ドキュメンタリー映像を探ると、当時からメキシコ人は国境警備隊を嘲笑って不法入国を繰り返していることがわかる。また、米国境警備隊員がメキシコ人に撃たれたりもしている。不法移民や入国者の問題はレイシズムとは無関係だったのである。テキサスやアリゾナ等の多くの州があるなかで、殆どの不法入国者はカリフォルニア州に落ち着く。
 さらに昔はメキシコ人が自由に国境を出入りしてアメリカで仕事をし帰国する牧歌的な時代があったようである。現在はメキシコ国内の薬物カルテルが重武装化しメキシコの治安が悪化したので多数の人々がアメリカでの雇用と治安の良さを求めてメキシコを出たがっている。人間の流れと同時に武器や薬物も米国に流れてくる。対するアメリカはこれを止めたいのである。
 そして見逃せないのが、実はメキシコに入ってきたグアテマラの不法移民がアメリカに入国してきている事実である。メキシコの国境警備隊は長い国境をわずか150人程で守っており、実質機能していない。そこで国境を接するグアテマラやベリーズから不法移民が入国し、さらにメキシコを中継地点として米国に入国してきている。この不法グアテマラ移民は中央アメリカからの武器や弾薬をメキシコに流用しておりカルテルの重武装化が加速化したのだ。
 ではメキシコのカルテルに最初に武器を渡したのは誰かと問えば、アメリカのアルコール・タバコ火器取締局や司法省がカルテルに武器が流出する可能性を知りつつ武器販売を許容していた事である。
 グアテマラからの不法移民と中央アメリカからの武器弾薬流出、アメリカ司法当局の武器販売許認可とメキシコカルテルからの薬物流入や一般市民の違法越境行為が全て絡まってアメリカ・メキシコ国境問題を複雑化しているようである。世界で一番違法越境行為が取り締まられるのがこの米墨国境のようであり、一概にトランプ大統領の自国優先の政策によって支持・保護・促進されているとも言えないようである。
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