気象庁によると、日本時間の2日午後7時56分頃、アリューシャン列島を震源とする地震があった。
地震の規模は、マグニチュード7・1と推定される。
同庁は同8時45分、この地震による日本への津波の影響はない、と発表した。
地震の規模は、マグニチュード7・1と推定される。
同庁は同8時45分、この地震による日本への津波の影響はない、と発表した。
中川正春文部科学相は2日夜に文科省で行った就任記者会見で、高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について「客観的な検証とエネルギー中長期計画との兼ね合いの中で、最終的に政治判断になるが、リスクをもう一度検証したい」と述べ、存廃の判断には専門家による検証が必要との考えを示した。
中川文科相は「政府全体、国民、野党を含めて議論をしていく場を作り、エネルギー中長期計画をまず作ることが大事。そこを前提として核燃料サイクルをどうするか考えていかないといけない」と強調。「もう少し時間をいただき、見極めをしたい」とし、来年度予算については「今の時点では予算を付けるべきだと思う」と述べた。
欧州連合(EU)は2日、反政府デモの弾圧を続けるシリアへの圧力を強めるため、同国産原油のEU域内への輸入を禁止することで合意した。3日に発効する。
今回の制裁措置では、シリアからの原油と石油製品の購入、輸入、輸送が禁止される。このほか資産凍結やEU域内への渡航禁止の対象も拡大された。
ただ、イタリアはシリア産原油の禁輸について例外が認められ、11月15日まで輸入を続ける。
EUや米国など西欧諸国はこれまでにもアサド大統領に退陣を要求し、シリア政府高官らに対し資産凍結などの経済制裁を発動している。
EU諸国はシリア産原油の主な輸出先。一方でアナリストらは、原油の禁輸措置は投資活動の禁止を含まないことなどから、アサド政権に与える影響は限定的とみている。
[ソポト(ポーランド) 2日 ロイター]
事業仕分けで「凍結」となった埼玉県朝霞市の国家公務員宿舎の建設事業が再開された。「ムダを削る」会議で凍結された事業が、大震災復興財源のため増税が検討されている最中に復活することへ違和感を表明する声もあがっている。
「財政がこれだけ厳しいとき、福利厚生をやる会社、ありますか?」。朝霞の宿舎建設が再開された2011年9月1日、情報番組「モーニングバード!」(テレビ朝日系)で、局内コメンテーターの玉川徹さんは、民間企業ならあり得ない、と建設再開をこう批判した。「(復興財源より)宿舎建設の方が優先度が高い、ということですよ」とも続けた。
朝霞の宿舎問題は、民主政権誕生後間もない2009年11月の事業仕分けで、「全面的に凍結」と勧告された。米軍キャンプ跡地に建設するもので、総事業費約105億円。鉄筋コンクリート13階建てが2棟、計850戸だ。13年6月に完成が予定されている。
凍結を解除し、建設を再開することは2010年12月24日に発表されていた。
宿舎事業を所管する財務省がモーニングバードの取材に答えたところによると、「政務3役が中心となり、オープンな場で民間有識者のご提案」をききながら総合的に判断したそうだ。ちなみに野田佳彦・新首相は、09年の事業仕分け時は財務副大臣で、10年末の凍結解除の決定時には財務相だった。凍結解除は、野田氏が了承した形だ。
11年8月31日に宿舎建設問題を取り上げた情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)に登場した、改革派官僚の古賀茂明氏(経済産業省大臣官房付)は、「研究会などを開いて(凍結された案件を)密かに再開するのは官僚の常とう手段」と指摘した。
また古賀氏は、財務省が復興財源にあてるため増税の必要性をアピールする中、「それでも公務員宿舎建設に回す金はあるんです、という理屈は全く理解できない」と批判した。古賀氏は、公務員宿舎不要論者だ。
ところで、財務省がいう「オープンな場」とは、どんな会議だったのだろうか。少なくとも「事業仕分け」ほどは注目はされていなかったようで、「記憶にない」という人も少なくなさそうだ。
財務省によると、その会議は「PRE(国有財産全体の最適化)戦略検討会」。大学教授らを招き、「原則公開」でヒアリングを実施した。会議予定は事前に公表されていた。2010年9月から11月にかけ4回開いており、12月初旬にはとりまとめを公表した。このとりまとめを受けて、朝霞を含む2宿舎事業の凍結解除が決定された。中止が決まった宿舎事業もひとつある。
同検討会の参加者のひとり、山梨大学の西久保浩二教授(人的資源管理論)にきいてみた。当時、個別の公務員住宅事業についてではなく、全体的な官舎のあり方を話し合った。基本的には、「国家公務員の高い質を維持するため」に必要な処遇だという意見が多く、西久保教授も同様の意見を述べたという。
参加者の中には公務員宿舎不要論を指摘した人もいたが、強硬な建設反対ではなかったそうだ。
朝霞の事業が再開され、事業仕分けでは「凍結」だったのにおかしい、との批判が出ていることについては、そもそも「廃止」の判断ではなかったことを踏まえるべきだとの考えを示した。
確かに、事業仕分けで廃止判定を受けた案件は少なくない。仕分けの結果は「凍結して、議論を深めるべきだ」というものであり、実際に議論したというわけだ。前述のように、結局は廃止された宿舎事業もある。
もっとも、西久保教授は「個別事業については、過剰な設備にならないか、などを監視していく必要がある」とも指摘している。
09年の事業仕分けで朝霞事業の話し合いに「仕分け人」として参加した、ジャーナリストで環境行政改革フォーラム幹事の政野淳子さんにも話をきいた。
政野さんは、「凍結」ではあったが、「しかるべき手続きを経た後、中止になるはずだ」と思っていたそうだ。「官僚のやりたい放題をコントロールできない政治家がトップでは、事業仕分けを100万回やったところで無駄の削減などできない」と、相当頭にきている様子だ。
こうした「ナンセンスな事業」を切ることができなかった、凍結解除を認めた野田氏に対しては、「いったい、どこを向いて誰に、増税だと言うつもりか」と疑問を投げかけた。
ちなみに、地元の朝霞市の政策企画室によると、「市としては(事業再開を)歓迎している」という。一方、8月21日に同市内であった住民説明会では、住民らから「復興増税の話が出ている時に役人の住む場所を確保している場合か」「事業費は東北に回すべきではないか」といった声が相次いだ。朝霞の宿舎建設予定地は現在、豊かな緑をかかえており、環境保全の観点から宿舎建設に反対する意見もある。
東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた農地の回復に向け、NTTドコモとNECが農業支援ベンチャーの「マイファーム」(京都市)と協力し、塩害を受けた農地の再生技術の普及に乗り出した。マイファームが開発した塩害土壌改良材に加え、ドコモやNECのセンサーなどIT技術を組み合わせることで継続的に農地再生につなげていく方針だ。
塩害は、農地に塩化ナトリウムが多量に存在することで植物の根の吸水作用を阻害するほか、植物に栄養を供給する微生物も死滅させ、結果的に作物ができなくなる。NECなどによると、震災による津波で塩害を受けた農地は約2.4万ヘクタールに上り、「何もしなければ3~5年は農地として利用できない状況」(関係者)という。
このため、マイファームは震災後、塩分を除去する微生物数種類と有機堆肥を配合した土壌改良材の開発に取り組み、6月から実証実験も始めた。宮城県内の農地2カ所で行った検証では塩分濃度が実験前のそれぞれ2.6%、2.9%から、2カ月後には0.7%、0.8%と約2ポイント低下した。トマトが生育できる塩分濃度は0.7%が上限といわれ、マイファームでは「土壌改良材を投入した畑では、順調に栽培できることが実証された」(広報)。そこでドコモとNECに働きかけ、この土壌改良材の普及に乗り出すことを決めた。
3社が結んだ提携では、まずマイファームが支援している東北地方の農家約20カ所で農地再生を実施する。土壌改良材を用いると同時に、ドコモの環境センサー、NECの農地センサーを設置することで、継続的に効果を測定し普及につなげていく。
ドコモの環境センサーは、すでに携帯電話基地局などを中心に全国2500カ所に設置されており、降雨量、温度や湿度、風向などを測定して、そのデータを各地の自治体などに提供している。NECの農地用センサーも同様に、土壌塩分濃度や温度を測定する。センサーには携帯電話の通信モジュールが搭載されており、ドコモの携帯電話回線を通じて、自動的にNECのサーバーに集められる。これらの計測データは農場に無償で提供され、今後の農地再生にも活用していく仕組みだ。
9月からはマイファームが支援する農地だけでなく、塩害を受けたほかの農家などにも土壌改良材を販売する。約1000平方メートル程度の農地が再生できるとされる300キロ(1反分)が最小の発注単位で、価格は20万円。
改良材の生産には約4000万円がかかり、3社が費用を分担する。また、マイファームの農地に対してはNECの農地用センサーとサーバーシステムを約80万円で提供する。一方、ドコモの場合は環境センサーとデータ収集のネットワークを無償で提供するが、「より多くの農地などにセンサーを設置し、精度の高い情報を収集することで、その後のデータ販売につなげるメリットがある」(広報)としている。
3社は土壌改良材の普及と継続的なデータ収集により、「農地の状態の“見える化”を進め、農家の不安を和らげたい」とし、より取り組みを広く普及させていきたい考えだ。
震災による塩害については、政府も8月に工程表を発表しており、被災した農地でヘドロの除去や除塩を行い、「おおむね3年以内の着実な復旧を目指す」と明記している。(森川潤)