ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「13・67」

2018-08-01 21:35:07 | 

 

「13・67」 陳浩基 文藝春秋 2017.9.30

 

面白かった~。

香港が舞台ということで、登場人物の名前はカタカナ以外、漢字の塊で捉えたが (笑)

 

2013年から過去に遡っていく六つの中編が、巧みにリンクしている。

最後の最後に出て来た名前をみて、オーッ!

そうか、そうだったか。

最初のストーリーを読み返してしまった。

 

その最初の「黒と白の真実」を読みながら、

ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムを連想。

こういう発想は、日本人には出てこないかも。

 

市民の側に立ち、偏向なく法を守る存在であるべき警察官だが

「手抜きは努力に勝る」つまり

「やればやるほど叩かれる。なにもしなければ損はない」

という風潮が蔓延しているなか、

ひたむきに「市民を守る」ため犯人逮捕に打ち込んでいる警官・ローと、

その上司であり教官であるクワン。

二人の姿勢にスーッとする。

 

1997年の祖国返還という大きな転換かあった香港。

表も裏も揺れ動いていたであろう社会のザワメキも感じた。

 

 

 

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