ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「千年の田んぼ」「地図を広げて」「バターサンドの夜」

2018-11-17 22:27:12 | 

 

「千年の田んぼ」 石井里津子 旬報社 2017.12.15

 

国境の島に、古代の謎を追いかけてーーとある。

第64回読書感想文コンクール中学校の部、課題図書。

イラストも良かった。

 

山口県萩市、萩生港から北へ約45km、高速船《おにようず》で約70分のところに

見島がある。

面積は8平方kmもなく、周囲は約18km。

島の南端の本村港から北端の北灯台まで、直線で約5kkm。

2017年の人口は約800人。

江戸時代、1739年には約1250人が住んでいた。

当時、それだけの人口を支えるだけの食べ物があったということ。

 

この島には高い山がない。

つまり、高い山によって生まれる川がない。

なのに、標高100mほどの山々の斜面には棚田が拓かれ、

島の東南端には小さな島には珍しく八町八反の田園エリアがある。

そして田んぼの角には、小さな三角の形をしたため池がいくつもいくつも作られている。

昭和40年代までは、その水を人力て汲み上げて田んぼに入れていたのだという。

 

調べてみると、八町八反の田んぼは条理制に基づいている。

つまり、7世紀後半の律令国家が関係している?

この島には、都会的な服装品がたくさん出土するジーコンボ古墳群もある。


国の戦略である仏教文化へと移っていた平安時代まで、

古墳時代の精神をそのまま受け継いだ、ラスト豪族とでも言える人々が200年続いたーー。

 

国防の最先端基地でもあった見島。

ここでも、ほかの地域同様、田んぼの荒廃が進んでいる。

水が濁っているため池も多くなっているという。

 

田畑や森林、水を守ることは、命の根源であり、海洋にも影響を与える。

個人や集落だけの問題ではない。

国全体、いや地球規模で、長い目で、

もっと真剣に考えていかねば……。

 

  

「地図を広げて」 岩瀬成子 偕成社 2018.7

 

四年前に、お母さんが弟を連れて家を出ていった。

それから何となく、二人には会っていない。

 

お母さんが亡くなり、弟の圭がやってきた。

互いを思いながら、手探りしてるよう……

 

中学生の鈴の心情が、細やかに描かれている。

 

 

「バターサンドの夜」 河合二湖 講談社 2009.9.7

 

誰にも本心を語れない……。

息苦しい毎日の心の支えは、ロシア革命のアニメのワンシーン。

いつかこの主人公のような衣装を着て、自分を変えたい中学生の明音に

「モデルやらない?」と声がかかった。

 

自分って?

自分のことを本当にわかってくれる人っていないの?

 

たかだか十年くらい前の作品なのに、微妙に古い感じを受けた。

何故かしら……。

 

バターサンドは、マルセイバターのことか!

しばらく食べてない。

食べたいなぁ  (笑)

 

コメント
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