「日本史の内幕」 磯田道史 中公新書 2017.10.25
そうか、磯田さんは1970年、岡山県生まれか。
西郷隆盛の性格は、書状からみえる。
豊臣秀頼の父親は本当に秀吉なのか。
著者が原本を発見した龍馬の手紙の中身とは。
司馬遼太郎と伝説の儒学者・中根東里には奇縁があったーー。
などなど、
全国各地で古文書を発見・解読し、真相へと分け入ってゆく著者。
楽しいだろうな~。
気になるところ満載で、イチイチ立ち止まったり調べたり……
読み終えるまで、かなり時間がかかった。
幾つかメモっておこう。
明治天皇の皇后が京都を出て「新首都」東京に定住するまでの記録。
41人が担ぐ輿で移動したそうだ。
輿から出て景色を見物された野立の初回が三重県の筆捨山。
東海道五十三次のルートで絶景だったというので、行ってみようと思った。
ところが今は、林となってて、眺望がないらしい。
宮城県大和町で江戸時代にあったという実話が感動もので、
映画『殿、無利息でござる!』になったとか。
羽生結弦が若殿役で出演したというので、観てみたい。
羽生くんを担ぎ出したエピソードが懸かれていた。
原作の「無私の日本人」も読まなくちゃ。
ーー権力の都合で情報は操作される。ゆえに国家機密の保護は必ず後日の情報公開とセットでやらないと、検証が不可能になり、国を誤る。ーー
当然、そうあるべきだ。
それにしても、残すべき情報資料が改竄されていたり、破棄されていたり、
そら恐ろしい現実もある。
公務を何と思っているのだろうか。
ーー現代の宝くじの控除率(運営側=胴元などの取り分)は約55%ーー
そんなに、多かったのか!!
ーーしかし、江戸時代の富くじは寺社への奉納金が1割前後、販売手数料などを考えても、現代の宝くじよりずっと低かったーー
(識字率などを踏まえ)
ーー江戸時代は、権力者に武力が集中しているだけで、富や知識の面は格差が少なく、ひろく庶民までゆきわたっていた社会であったーー
ーー長州や薩摩も、松陰や西郷が動かしているように見えて、実は「本」が彼らを動かしていた。「取り込み性」という日本人の特性がいかんなく発揮されている。漢学、国学、蘭学、洋学、何でも貪欲に取り込んでいく日本社会では、昔から「本」が主役であった。ーー
(昭和初年の美容整形)
ーー鼻を高くする隆鼻術は西洋のものだが、目を大きくする目の整形手術は、日本で発達した。(西洋の美人の影響で)
ドイツに留学し、当時、世界最高の外科学にふれた天才医師・内田孝蔵が関東大震災に遭う。顔面やけどの患者の皮膚のひきつりをメスで治療するうちに手技が向上。目を大きくする美容整形法を確立したーー
ーー全人類のなかで、日本人は何パーセントを占めてきたか。
卑弥呼時代は0.3%
日本人口の世界シェアが最高になったのは元禄時代で5%、
つまりこの時、世界の20人に1人が日本人であった。
この頃から低下し始めて、現在は2%。
2100年には1%を切って、古墳時代の日本ほどと予測されている。ーー
きっとすぐに忘れてしまうだろうが 、 (笑)
興味深い内容がてんこ盛り。