「ぼくの、ひかり色の絵の具」 西村すぐり ポプラ社 2015.4
久しぶりに、いかにも児童文学!と思う本を読んだ。
「あとがき」の思いが作品に溢れている。
「だんまり」になってしまうひとは、伝えたいことがたくさんありすぎて、どう伝えようかと考えるひとなのかもしれません。そういうひとは、きっと、自分の発言が他人をきずつけないかとか、めいわくをかけないか、ということまで考えているのです。考えているあいだに、会話がとぎれ、ひとづきあいが苦手になっていくのだと思います。
だれにでも、得意なことがひとつはあるはずです。ひととコミュニケーションをとるためには、ちいさくてもなにかをはじめること。小さな一歩がきっかけになって、大きな一歩へとつながるのだと信じています。
絵が大好きなユクは、写生の時間、納得のいかない絵を描かされた。
傷ついたユクは、その絵を引き裂いてしまう。
どう描きたかったのか、何故引き裂いたのか、何を考えたのか、周りに伝えたいが、言葉にすることができない。
花が大好きな少女ハネズから励まされ、次第に絵を描くことの意味、喜びを理解していく。そして、絵を描くことを通して、大切な友だちが増えていく。
「絵は、きみが感じたことをひとにつたえるためのことばだ。ほんとうにつたえたいことだけ描けばいい」
小学生高学年の去年の課題図書。
感想文を書きやすかっただろうな(笑)