お父さんと伊藤さん@中澤日菜子
あらすじ(「BOOK」データベースより)
娘と彼氏の狭い同棲部屋で始まったぎこちない共同生活。すれ違って生きてきた父と娘に心通じあえる日は?第8回小説現代長編新人賞受賞。誰にでも起こりうる家族問題を笑いと緊張の絶妙なタッチで描くデビュー作!
娘・彩の視点で物語は描かれています。彩34才、同棲している彼氏の伊藤さん54才、突然2人で暮らしている狭いアパートにやってきてしまった彩のお父さん74才。なかなかシュールな設定です。彩はゆるーい感じで生きていて、今は伊藤さんと楽しく暮らしているからそれなりにいい状況。そこにやってきたのは昔から苦手だったお父さん。この、昔から苦手だったお父さんというところに、私自身共感し、彩側に付いてぐいぐい読み進めました。お父さんのとんでもない秘密を知るところでは、彩の絶望・怒り・あきらめといった気持ちがストンと理解できました。それでも彩は、お父さんのことを「どうしようもなく、それはあたしの父」と改めて認識します。ここ、そうだよね、父は父。うんうん、とうなづいてしまいました。
この物語で彩やお父さんは「私と一緒」「お父さんと似てる」という感じですが、伊藤さんは‥‥。ちょっと不思議な雰囲気を醸し出しています。その伊藤さんがいろいろなことのクッションになったり、彩の背中を押したりで、とても素敵なのです。最後の伊藤さんのセリフ、ぐっときます。家族との関わり、人との関わりを考えさせられる作品でした。
追伸:「見晴るかす」「吃驚した」という表現はしっくりきませんでした。会話で「吃驚したわよー」とか使わないもので‥
あらすじ(「BOOK」データベースより)
娘と彼氏の狭い同棲部屋で始まったぎこちない共同生活。すれ違って生きてきた父と娘に心通じあえる日は?第8回小説現代長編新人賞受賞。誰にでも起こりうる家族問題を笑いと緊張の絶妙なタッチで描くデビュー作!
娘・彩の視点で物語は描かれています。彩34才、同棲している彼氏の伊藤さん54才、突然2人で暮らしている狭いアパートにやってきてしまった彩のお父さん74才。なかなかシュールな設定です。彩はゆるーい感じで生きていて、今は伊藤さんと楽しく暮らしているからそれなりにいい状況。そこにやってきたのは昔から苦手だったお父さん。この、昔から苦手だったお父さんというところに、私自身共感し、彩側に付いてぐいぐい読み進めました。お父さんのとんでもない秘密を知るところでは、彩の絶望・怒り・あきらめといった気持ちがストンと理解できました。それでも彩は、お父さんのことを「どうしようもなく、それはあたしの父」と改めて認識します。ここ、そうだよね、父は父。うんうん、とうなづいてしまいました。
この物語で彩やお父さんは「私と一緒」「お父さんと似てる」という感じですが、伊藤さんは‥‥。ちょっと不思議な雰囲気を醸し出しています。その伊藤さんがいろいろなことのクッションになったり、彩の背中を押したりで、とても素敵なのです。最後の伊藤さんのセリフ、ぐっときます。家族との関わり、人との関わりを考えさせられる作品でした。
追伸:「見晴るかす」「吃驚した」という表現はしっくりきませんでした。会話で「吃驚したわよー」とか使わないもので‥