食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

おいしい旅 初めて編@アミの会

2024-06-13 13:47:01 | 本(あ)
  おいしい旅 初めて編@アミの会 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
仕事に行き詰まり、勢いで列車に乗り終点まで…旅先では驚きの出会いが待っていた(「下田にいるか」)。福引きで旅行券を引き当て、台湾へひとり旅。現地で会った駐在員はどこか訳アリのようだが(「情熱のパイナップルケーキ」)。訪れたことのない場所、見たことのない景色、その土地ならではの絶品グルメ。さまざまな「初めて」の旅を描いた7編を収録。読めば必ず出かけたくなる、文庫オリジナルアンソロジー。




「おいしい+旅」。楽しそう、しかないタイトル。が、やっぱり作家さんたちはすごいわね。「おいしい旅」をテーマに、なるほどというものから思いがけないものまで、いろいろな物語が紡がれていておもしろかった。コロナ禍に作られたこの1冊。あぁ、コロナってこういうふうだった、なんて思い出したりして。短編で読みやすいのもよかった。

1話ずつのちょこっと感想。
坂木司「下田にいるか」
 コロナ禍の状況が思い出され、あの窮屈な状況で下田に急に思い立っていく主人公。電車や水族館やホテルの描写が秀逸。さすがだわ。下田に行きたくなっちゃった。

松尾由美「情熱のパイナップルケーキ」
 ちょっとした謎解きがアクセント。台湾グルメ、おいしそう。

近藤史恵「遠くの縁側」
 思わぬアクシデントでアムステルダムで数日を過ごす主人公の行動力がすごい!

松村比呂美「糸島の塩」
 おいしい旅からこの物語を紡ぐってすごい。意外性しかない。物語もおもしろかったし、糸島の魅力を感じて、ぜひ行ってみたいと思った。

篠田真由美「もう一度花の下で」
 行ったことのある箱館が舞台で、ちょっと楽しい。物語は結構暗いかな。

永嶋恵美「地の果ては、隣」
 サハリンが舞台。現在はもう様子がちがうかもしれないけれど、なんだかおもしろそうな場所に、おいしそうなグルメ。が、物語の最後、着地点に衝撃を受けた。

図子慧「あなたと鯛茶漬けを」
 ホカホカの温かいおいしい食事、仲間との食事、空間を楽しむ食事、「おいしい」が人を幸せにするんだなぁと改めた感じた一編。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

27000冊ガーデン@大崎梢

2024-03-15 15:54:28 | 本(あ)
  27000冊ガーデン@大崎梢 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
星川駒子は県立高校の図書館に勤める学校司書だ。ある日、カウンターに置いた「本について相談したいことがあったらなんでも声をかけてね」というプレートを見た男子生徒から、転落死体が発見された場所に本を落としてきてしまったと相談を受けた。駒子は出入りの書店員・針谷敬斗と共に、生徒が巻き込まれた事件の解決に一役買う。そんなふたりのもとには、図書館や本にまつわる謎が次々と持ち込まれる!?本も生徒の心も密室みたい。中で何が起こっているのか、わからない。




図書館にやってくる高校生、やってこない高校生、それぞれ個性的で、いろんな家庭環境があり、いろんな思いを抱えていて、ザ・青春。生徒たちが持ち込む本にまつわる謎を解く、ザ・ミステリー。青春にミステリー、お得感あり! 図書館司書の駒子さんが生徒と一生懸命真摯に向き合う姿がすてき。めちゃくちゃするどい観察眼の針谷さんもすてき。5つの短編どれもが、駒子さんと針谷さんのおかげで嫌な終わり方にならない、救いを見出せるのもすてき。そして作者・大崎梢さんの本の知識量もすごい。思わず読みたくなってメモした本は原田マハさんの「星がひとつほしいとの祈り」。私が高校生のころ、図書館とは縁がなかった。もし駒子さんみたいな司書さんとめぐり合ってたら、本の楽しさをもっと早く知ることができたかもな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お邪魔してます、こたつ犬@尼野ゆたか

2023-12-21 17:17:00 | 本(あ)
  お邪魔してます、こたつ犬@尼野ゆたか 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
宏美は東京でOL生活中。仕事帰りにスマホを見ると、母親から突然、今向かってるとメッセージが。正直、仕事で疲れているので、相手をするのは面倒だ。そう思い帰宅するとー「お邪魔しています」。部屋には何故か、こたつに入った喋る犬がいて!?犬は一宿一飯の恩義と言い、なんと宏美の声真似をして、やって来た母親の相手をしてくれた。すると傍目に二人の会話を聞く宏美にも、母親との思い出が蘇り…。そんなちょっとだけ疲れた普通の人たちの物語。こたつ犬があなたの“や”なこと、代わります。




寒い日に、表紙のぬくもり、こたつ犬というネーミングに惹かれて借りた1冊。こたつ犬の歩き方とか、触り心地とか、擬音がかわいい。癒される。そんなこたつ犬、悩める人間の前に現れ、嫌なことを代わってくれる、いいやつ。人間の心をちょこっとほぐして、ほどいて、気づきを与えてくれる。人間はほんとは気づいていたかもしれないけれど、そのきっかけを作ってくれる。ほっこり。5つのお話があり、第5話はこれがこたつ犬?っていう普通の犬のお話。普通の犬が人間のように2足歩行でおしゃべりして料理してあれこれできるこたつ犬になる経緯は書いておらず、あまり意味がないような‥ 第1話から第4話は誰にでもありそうな嫌なことが書かれており、読み終えてホッとしたり、スカッとしたり、楽しめたわ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

むかしむかしあるところに、死体がありました。@青柳碧人

2022-08-26 17:51:42 | 本(あ)
  むかしむかしあるところに、死体がありました。@青柳碧人 {book/}

あらすじ(出版社より)
鬼退治。桃太郎って…えっ、そうなの?大きくなあれ。一寸法師が…ヤバすぎる!ここ掘れワンワン埋まっているのは…ええ!?昔ばなし×ミステリ。読めば必ず誰かに話したくなる、驚き連続の作品集!




昔話ミステリ第二弾 赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。の読書感想文はこちら
第二弾の赤ずきんはおもしろく読めたんだけど、第一弾はどうも好きな感じではなかった‥ どの作品もどんより暗い。「死体がありました。」だから死体が出てくるんだけど、そこにいたるまでの描写、例えば桃太郎が鬼を殺すようなシーンも私にはきつい。和と洋では昔話の質が違うのか、ちっとも楽しめませんでした‥ 「つるの倒叙返し」は構成が変わっていておもしろかったです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。@青柳碧人

2022-08-11 15:01:17 | 本(あ)
  赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。@青柳碧人 {book/}

あらすじ(出版社より)
森の中のお菓子の家。走り抜けるカボチャの馬車。お城で、眠り続けるお姫さま。次から次へと起きる事件を赤ずきんがスッキリ解決!昔話ミステリ第二弾。




タイトルの赤ずきんと死体のギャップ、表紙のおどろおどろしさとかわいさのギャップ、に惹かれて読んでみました。まずはそれぞれの章のタイトル。なるほど、シンデレラ、ヘンゼルとグレーテル、眠れる森の美女、マッチ売りの少女、ね。と確認して読み始めると、ぷんすか怒る赤ずきんからスタート。これまた私の想像している赤ずきんとのギャップ。しかも赤ずきんは推理がお得意。ミステリとしてはどうかな。もともとの物語の登場人物と、この小説のダークな登場人物とのギャップがすごく、それを楽しみました。第一弾も読んでみたいな。ちなみにタイトルは「むかしむかしあるところに、死体がありました。」。興味津々!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする