食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

後悔病棟@垣谷美雨

2023-11-23 16:57:58 | 本(か)
  後悔病棟@垣谷美雨 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
神田川病院に勤務する医師の早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、患者の気持ちがわからないのが悩みの種。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の“心の声”が聞こえてくるのだ。「もし高校時代に戻れたら、芸能界デビューしたい」-母に反対されて夢を諦めた小都子が目を閉じて願うと、“もうひとつの人生”へ通じる扉が現れる。念願の女優になった小都子だが…。聴診器の力で“あの日”へ戻った患者達の人生は、どんな結末を迎えるのか。夢、家族、結婚、友情。共感の嵐を呼んだヒューマンドラマ。




患者の心の声が聞こえる聴診器!? ファンタジー!? と思いきや、「あの時こうしていれば‥ あの時に戻りたい‥」という人間が誰しも持つ思いを、末期がんの患者自身が医師ルミ子のサポートを得て、擬体験する。もう死ぬと思っている患者は精いっぱい人生をやり直し、今の自分の現実を再確認する。選ばなかった人生はいつまでも輝いていて、いかに隣の芝生の青いことか。擬体験を通し、患者は現実を見て心を落ち着かせ覚悟を決め、ルミ子は少しずつ成長していく、そんな人間たちの物語かなぁ。患者のひとりは新薬が効いて奇跡的に生き続けるのだけれど、その人は知らないはずだった現実を知り、どういう人生を歩むのか、気になるところ‥ ルミ子の同僚医師イケメン岩清水とのやり取りが小気味いい! 元ヤンキー、先輩医師の香織の直球だけどルミ子を思いやっている言葉も気持ちいい! 最後、ルミ子のお父さんとの掛け合いはおもしろくもありほのぼのもありしんみりもあり! だれもが自分で選択してきた人生、それが一番、そう思いたいなぁ。

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もう一杯、飲む?@角田光代 他

2023-06-21 16:46:46 | 本(か)
  もう一杯、飲む?@角田光代 島本理生 燃え殻 朝倉かすみ ラズウェル細木 越谷オサム 小泉武夫 岸本佐知子 北村薫 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
ときに酒は、記憶を呼び覚ます装置になる。わたしを魅了するあの人は昼間から水玉のお猪口を手にしていた。僕はビールの苦さに重ねて父の呟きを反芻する。恋の行方を探りながらそっと熱爛を飲んだ日、ただ楽しくて倒れるほど飲んだ夜、まだ酒を知らなかった若さを、今は懐かしく思う。もう会えない誰かと、あの日あの場所で。九人の作家が小説・エッセイに紡いだ「お酒のある風景」に乾杯!




もちろんタイトルに惹かれた!

角田光代さん、なんだかありそうでなさそうで、でもありそうで、今の状況から逃れたいのか逃れたくないのか、そんなどっちつかずの気持ちに心がゆすられた。
島本理生さん、やさしさがそこここにあふれてて、ほんわか。
燃え殻さん、エッセイかな。ふっと昔を思い出す。あるよね、そういうこと。
朝倉かすみさん、ちょっと怖いというか、気持ち悪いというか‥ 苦手だった‥
ラズウェル細木さん、めっちゃわかる! いちいちわかる!! 船旅したい!!!
越谷オサムさん、どこに着地するんだろう、と思っていたら、あれよあれよと人間模様が浮かび上がり、おもしろかった。
小泉武夫さん、へー、ふーん、そうなんだ。これはリアル?
岸本佐知子さん、エッセイかな。バブル時代のお酒の飲み方、すごっ。
北村薫さん、早苗がおもしろい! が、真の主役は先生だよね。

私好みなのは角田光代さん、島本理生さん、ラズウェル細木さん!

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あなたのゼイ肉、落とします@垣谷美雨

2022-11-02 16:32:31 | 本(か)
  あなたのゼイ肉、落とします@垣谷美雨 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
ダイエットは運動と食事制限だけではない。大庭小萬里はマスコミには一切登場しない謎の女性だが、彼女の個別指導を受ければ、誰もが痩せられるという。どうやら、身体だけでなく「心のゼイ肉」を落とすことも大事なようだ…。ベストセラー『あなたの人生、片づけます』の主人公・大庭十萬里の妹である大庭小萬里の指導が冴える、読んで痩せるダイエット小説。




依頼者は49歳会社員で主婦、18歳女子大学生、32歳交通事故で直近1年半の記憶をなくした男性会社員、10歳小学生男子。この4人の「太っている」という悩みを解決していく大庭小萬里。大庭小萬里はその人の育ってきた環境、性格、生活、あらゆる面をチェック。10歳小学生男子以外には、その指導はバシバシと痛いところを突いてくる。大庭小萬里の言うことはまっとうで、小気味いい。が、自分が言われたとしたらきっとむかつく。依頼者たちもむかついて反発するものの、ある時ストンと胸に落ちるみたい。そういうふうにとらえられる心の持ち主ならば、体も心もダイエットできるのね。1話目、依頼者が夫と娘に家事を手放す話をしたら、すんなり受け入れられて、え、そんな簡単に‥と信じられなかったけども。一番好きだったのは2話目、18歳女子大学生のお話。青春ってすばらしい! ファイト!! がんばれ!!! 心がほんわか、思わず笑顔で読み終わったわ。

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バニラな毎日@賀十つばさ

2022-08-17 15:23:32 | 本(か)
  バニラな毎日@賀十つばさ {book/}

あらすじ(出版社より)
洋菓子店「パティスリー・ブランシュ」を閉じるはめになった白井。そんな時、常連客だったマダムが現れ、次の借主が決まるまで厨房を貸して欲しいという。そこで彼女が始めたのは、風変わりなお菓子教室だった。心とお腹が満たされる★★★の物語。




パティシエールの白井さん、その常連客だった佐渡谷さん、このコンビがすごくいい! 白井さんはまじめで何事にも手を抜かない頑張り屋さん。佐渡谷さんはパワーがすごい。何もかもを包み込み、受け入れる度量の大きさ、こんな人と出会いたい。このふたりが悩める子羊たちとお菓子を作ることによって、その心を時に大胆に、時に繊細に、整理して解き放つ。とても心地いい物語でした。

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なんでわざわざ中年体育@角田光代

2021-11-22 16:46:17 | 本(か)
  なんでわざわざ中年体育@角田光代 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
走ることも、汗をかくことも嫌い。嫌いだと自覚しているからこそ続けられることもある。インドア作家が43歳でフルマラソンに出場。ボルダリングから登山、ワイン飲みマラソンまで闇雲に挑戦した結果はいかに?志の低いユルい楽しみ方は中年の特権ではなかろうか。笑い転げながら読んでいると不意に感動が襲う爽快エッセイ。




タイトルに対し「うんうん、わかる、なんでわざわざ中年体育? そう思う。」で、読んでみました。角田先生が40代でいろいろチャレンジした中年体育のお話。誘われるとほいほいとチャレンジする角田先生、そのフットワークの軽さ、好きです。で、何かにチャレンジすると、ネガティブとポジティブの思考が両極端に触れる、そのすごく大きな振れ幅、好きです。ぷぷぷっ、と笑ったり、アハハ、と笑ったり、にやにやしたり、おもしろかった! 特にボルダリングのお話は声を出して笑っちゃいました。すごいのは角田先生が走ることを続けていること。ご本人は走ることを「好きじゃない。嫌い。」とおっしゃるけれど、「合っているから続けられる。」とも。私が続けているヨガは角田先生には合わなかったようで残念。最後に中年体育心得8カ条があります。このユルさ、やっぱり好きです。

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