食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

円卓@西加奈子

2023-07-12 15:24:15 | 本(な)
  円卓@西加奈子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
公団住宅で三つ子の姉と、両親、祖父母に愛されて暮らす「こっこ」こと渦原琴子は、口が悪く、偏屈で硬派な、孤独に憧れる小学三年生。こっこの日常は、不満と問題と驚きと発見に満ちている。世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を、活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。光溢れる感動傑作。




とてもリズムを感じる作品。小学三年生のこっこを中心にその家族、お友だち、個性派しかいない。登場人物にそれぞれの特徴があり、会話にも考え方にも行動にもそれぞれのリズムがある。小学生のころ、こんなだったかな、と思いつつ、それぞれの個性をデフォルメしたら、いたいたこんな子、ってところがおもしろい。自分に当てはまるところが無きにしも非ずなところがおもしろい。こんなこともあったわ、ってところもおもしろい。そんな子供たちが夏休みでそれぞれ成長する。担任がおびえるほどの成長。あれこれたくさん考える主人公、こっこ。思わず応援したくなる。最後の最後、終わり方も個性的ですてき。私が好きなのはこっこの親友、ぽっさん。やさしくてひたむきで、そのまま成長しておくれ。

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わたしの美しい庭@凪良ゆう

2022-07-25 17:45:29 | 本(な)
  わたしの美しい庭@凪良ゆう {book/}

あらすじ(「BOOK」データベースより)
小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。百音と統理は血がつながっておらず、その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。三人が住むマンションの屋上には小さな神社があり、断ち物の神さまが祀られている。悪癖、気鬱となる悪いご縁を断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるがー




いわゆる「普通の人」がクローズアップされていないお話。百音、統理、路有、桃子、基、それぞれがそれぞれの立場でそれぞれの悩みや不安を抱えていて、彼らはそれらを認め、時に濃く、時にさりげなく、かかわりあい寄り添いあっている様子が自然で、人間同士のすてきなつながりを感じました。百音はまだ小学生だけど、統理や路有の話すことを理解して、時には理解しようとして、がんばっている姿がよかった。その逆に統理や路有が百音を小さな子供ではなくひとりの人間として向き合っているのもよかった。マンションの屋上の神社やお庭の様子もすてきで、この人たちの仲間になったら心穏やかな時間を過ごせるんじゃないだろうか、そう思いました。

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合唱 岬洋介の帰還

2021-05-26 16:40:36 | 本(な)
  合唱 岬洋介の帰還@中山七里 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
幼稚園で幼児らを惨殺した直後、自らに覚醒剤を注射した“平成最悪の凶悪犯”仙街不比等。彼の担当検事になった天生は、刑法第39条によって仙街に無罪判決が下ることを恐れ、検事調べで仙街の殺意が立証できないかと苦慮する。しかし、取り調べ中に突如意識を失ってしまい、目を覚ましたとき、目の前には仙街の銃殺死体があった。指紋や硝煙反応が検出され、身に覚えのない殺害容疑で逮捕されてしまう天生。そんな彼を救うため、あの男が帰還するー!!




岬洋介シリーズ第六弾です。
第五弾 もういちどベートーヴェンの読書感想文はこちら
もういちどベートーヴェンで、天生に約束したこと、もし天生が捕まるようなことがあれば岬洋介が助けに来ること、それが果たされました! 密室で天生が凶悪犯を殺害する事件、天生が犯人じゃないなら、この人じゃん、ってのはわかりました。天生を救うために外国から戻ってきた岬洋介、登場するだけでワクワク。天生の無罪を立証するために体と頭をフル回転させ、真相を見極める岬洋介はさすがでした。洋介の父である岬恭平検事がコテンパンにやられちゃうのはお気の毒だったけど‥ それから岬洋介シリーズと言えば音楽の記述、それがほぼほぼなかったのは残念でした。
この作品に登場する人物がどうやらほかの中山七里さんの作品に出ているらしいです。私が読んだ中では切り裂きジャックの告白の警視庁捜査一課の犬養隼人(読書感想文はこちら)。どの作品に登場しているか探して読んでみても、おもしろいかもな。
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もういちどベートーヴェン@中山七里

2021-05-14 13:06:10 | 本(な)
  もういちどベートーヴェン@中山七里 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
司法修習生・岬洋介は、無罪を証明できるのか?動かぬ証拠がありながら、夫の殺害を否認する妻。司法試験トップ合格の司法修習生・岬洋介は取り調べに立ち会い…?“どんでん返しの帝王”中山七里が描く、天才ピアニストの司法修習生時代!




岬洋介シリーズ第五弾です。
第四弾 どこかでベートーヴェンの読書感想文はこちら
え? 岬洋介が司法修習生? しかも司法試験トップ合格? クラシック、ピアノとは距離を置いてる? と、頭の中ははてなだらけ。ずいぶんと天然な感じの23歳の岬洋介。もちろんかっこよくて、やさしくて、品がよく、争いごとはせず、物事をとらえる観点が鋭く的確、そしてなんと言っても司法試験にトップ合格するほど頭もよかったのねぇ。そんな岬洋介の周りにいる人はあこがれたり嫉妬したり嫉妬したり嫉妬したり。そりゃそうだよね。天は二物どころか何物も岬洋介に与えている気がする。それが前半に延々と書かれています。正直ちょっと長いかな。たまに出てくる高円寺静教官がやさしい口調でピリッと辛口、すてきでした。(この方、前に読書感想文を書いた静おばあちゃんかしらね?)事件もさりげなく起きています。距離を置いていたピアノに再び向かい合う岬洋介はやっぱり天才。音楽のミューズに選ばれしもの。このシリーズのだいご味の音楽の記述、言葉で表現される曲を堪能しました。ピアニストとして復活した岬洋介が普通の会話の中で事件を解き明かし、犯人の名を口にしたときは「ハッ」と思わず声を出してしまいました。毎度中山七里さんにしてやられます。印象深かったのは、司法修習生同期の羽津の言葉「わたしたちが欲しいものを岬さんは望んでおらず、岬さんが欲しいものを私たちは望んでいないのだと思います」 なるほど、いくら周りの人が岬洋介をうらやましがっても岬洋介にとってはどうでもいいことなんだなぁ。タイトル「もういちどベートーヴェン」これまたなるほど、と思いました。

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湯を沸かすほどの熱い愛@中野量太

2019-05-23 16:40:13 | 本(な)
  湯を沸かすほどの熱い愛@中野量太 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
宮沢りえ、杉咲花ら出演の感動映画。監督自ら書下ろし。
銭湯「幸の湯」の女将さん・双葉に余命宣告が。幸野家には双葉が亡くなる前に絶対にかたをつけておかなくてはならない秘密があった。




ぽんぽんとテンポよく話は進む、つまりは双葉の死が近づく、なんだけど双葉の圧倒的なパワーの前では、悲壮感は表面に表れてきません。双葉、すごいよ、あふれんばかりの愛、タイトルによれば湯を沸かすほどの愛、その様子に何度かじんわりうるうるきました。ゆるゆるの頼りにならない双葉の夫も味があってなかなかよかった! が、納得がいかないことも。双葉の長女・安澄の学校での問題への対処法。ただただ学校へ行けってねぇ、ちょっとどうなの。安澄の取った行動もあり得ないほどすごかった。極めつけはラスト。え? 違法!? いいの、これで?? ちょっと恐怖すら覚えるんだけど‥ 映像で見たほうが楽しめるのかもしれません。
コメント (2)
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