TAMAちゃんダッシュ

愛犬タマとマル民の私の毎日です

倒木更新

2008-02-12 | 言霊

画像は北海道口コミポータルサイト BEST! from 北海道のものです

 樹高30~40m、径が1m以上の大木エゾマツは、丈夫な性質とその寿命の長さから大きな建築材や繊細な楽器材として北海道では一般に知られているそうだ。寿命は約600年。そんな長い時間を生きてきた大木にも終わりのその時がある。

 植物の繁殖は通常、地下茎で次第にその場所を拡大したり、タネを別の場所に飛ばして実生から発芽し増えていきます。さらにこのエゾマツのように特徴的な子孫の残し方をする種もあります。
 エゾマツは寿命を終えて倒れた木を親木としてまさにその場所から若木が並んで発芽し成長する 倒木更新 という形を展開する。倒れて朽ちてなお若い世代へと生命を直接つなげているのだ。

 自身には子どもがなく血縁関係において受け継ぐということは実際的には不可能であるが、まだ確固としたものが完成してはいないが、自身の考えや思いも繋げることができないのかと漠然と考えることがある。 
 ヒマだから余計な考えなくても良いことが頭に浮かんでくるかと思っていたのだが、実はそうでもないらしい。
 先日のマル民の前任者宅を訪問した折、その方の配偶者(女性)の方が同じようなことを言われていた。私は未だ漠然としているのだが、その方は
 「私が得たことはすべて知りたいと思う人には教えるのにね」と言われていた。
その方には私より少し年上の息子二人がいるが、血縁であることと考えに基づいて行っている多方面な活動を引き継いで貰う事とは別なのである。
 倒れてもなおその思いを伝えたいという切迫したものではなかったが、十分にその気持ちを感じ取ることのできる場に幸運にも居合わせることができたのだ。

 こんな世の中だから、人間の様々な思いを知りたいと思う反面、大切な部分に踏み込まれるのを避けるが故に必要以上に壁を作ってしまうことも多くあります。
「つなぎたい」という方の思いと「受け取ってみたい」という方の思いが見事に出会える場所をみつけることからして難しくなっています。
 倒木更新 に憧れたとしてもその場が整わなくては実現しない。樹木の 倒木更新 と同様に条件は次第に厳しくなってきているようだ。

 前任者の配偶者からのバトンを受け取るかどうかの選択はまだできないし、今の私の仕事は倒木更新の場をみつけ守っていくことだとおぼろげながら思っている。そうしていつかきっと随分先のことになると思うが、自身のことで 倒木更新 をしたいと思った時に自然にそういう人が現れてくれれば良いなとも思っています。こんな風にこれからやって来る出会いを考えるのも心楽しいと思えてしまうのです。

この記事は2月7日木曜日の「新・京都迷宮案内」を参考にさせていただきました。幸田文さんの「木」という作品の中の 倒木更新 の内容を確認したり、実際にエゾマツの 倒木更新 の様子を見るとができればと思っています。


*なお倒木更新についてはエゾマツだけでなくスギや他の樹木でもみられますが、人の手の極端に入らない自然が残っている場所でかつ、広葉樹、針葉樹などの樹木や植物が混生していることなど条件が整わなくては成立しないようです。しかしその中から引き継ぐのは親木の性質なんですね。

純粋にまったく同じ生命体を継ぐものではないというところも、私がとても気に入った部分です。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ムツカシイ (hinahina)
2008-02-12 14:23:30
要約すると
条件が揃わないと
成立しないこと
そしてタップリな時間がいると
いうことですか?
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倒木ですか・・ (ハナミズキ)
2008-02-12 15:01:28
思いを同じくする人が必ずどこかにいると思うんですけどね。
自分の中でも折り合いつけるのが難しいように、他とも
どこまで関わるか、踏み込むかはなかなか難しい。
でも待つ姿勢でなく、自ら進んでいけば
いつか形が見えてくると思いますよ。

仕事絡みで訪韓の話が出てます。
2年前、去年と悩んでいたのがウソのようで
諦めなくてよかったと実感してます。
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Unknown (ha-chansan)
2008-02-12 15:59:11
植物の子孫を残す方法って、いろいろあるんですよね。
しかも、樹木や竹などは、独特な子孫の残し方をするというのをブログを始めてから知りました。

>自身の考えや思いも繋げることができないのかと漠然と考えることがある。

と、ありますが、これは、子供がいても、自分の考えや思いを繋げるというものでもないと思います。
えてして、子供は親の思うようにはなってくれません。
それよりは、同じ価値観を持つ人の方が、繋げるかもしれません。
でも、人間は変わって行くものですから、なかなか難しいですね。

瑠葉さんは、とてもまじめに人生を考えている人なので、民生委員のお話もあったのだと思います。
大変なお仕事なんだなと改めて思いました。
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hinahinaさんへ (瑠葉)
2008-02-13 08:25:17
血縁とか世襲とかではなく、取り組みたいと思う気持ちが大切で、さらにそういう人をみつけることが難しくなってきているようです。
長いのか短いのか、それこそ偶然にわずかの間に出会うこともあるかもしれませんね。
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ハナミズキさんへ (瑠葉)
2008-02-13 08:30:41
自身のことはまだ見えなくてもいつか見えてくるという軽い気持ちでしょうか。
でも時間を急いで居る人もいて、でもそういう求める人がどこかにいるとわかっていても焦っちゃうという感じかしら。

仕事絡みで訪韓ですか。
悩んでいるのが分かんなくてごめんね。
でもハナミズキさんの場合は必ず初志貫徹、有言実行(不言かも)。
長いつきあいなので外に向かって精力的にいつか始動しはじめると思っていましたよ。
私も負けないように頑張らなきゃ。
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ha-chansanさんへ (瑠葉)
2008-02-13 08:35:49
おっしゃるように血のつながり以上のつながりって
自分の関わり方次第でできるのだと思います。
時々、感じることもあるのですが、それぞれがそういう人と出会えないとか感じているのでしょうね。

マル民はこういう形での公開はどうかと思ったのですけど、より自分に自信を持って責任を持てるよう、自分の中で爆裂させただけです。
ネットも実名で活動する勇気はまだまだありませんが。
さらにみなさんの色んな意見を聞きたかったからでしょうか。
ブログ家族のみなさまのコメントを見ているとネットという半仮想の世界なのに親身になってくださるのがよくわかるので。本当にありがたいです。
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うーん (やっさん)
2008-02-13 19:51:50
>自身のことで 倒木更新 をしたいと思った時に自然にそういう人が現れてくれれば良いなとも思っています。
そうですね。
そういう機会があればすごく幸運で素敵なことですよね。

この程度しかコメントできなくて申し訳ありません。
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やっさんへ (瑠葉)
2008-02-15 10:14:34
コメントありがとうございます。
長々と書いて結局、説明がいつもうまくないんですよね。
対面しているわけでないから手応えなんてわからないのがオンラインの悲しいところです。

色々と考えることが多くなりました。
今まで勉強してきてない分、吸収しなければならない事が多いです。
どうぞ助言してくださいね。
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