亡くなった男性をおもう歌

　秋川雅史さんの「千の風になって」という歌は、素直に聴くと亡くなった人が自分の思いを語っている歌です。でも、考えようによっては、あとに残された人が、亡くなった人に語りかけられたように感じた言葉ととらえることもできるのでないでしょうか。

　そんなことを思いながら、高橋真梨子さんの「教会へ行く」と、秋川雅史さんの「千の風になって」を続けて聴いていました。そうすると、「涙こらえ私は行く」、「涙が出てとまらないの」、「私のお墓の前で泣かないでください」といった歌詞で２つの歌が結びついて、ある情景が浮かんできました。

　好きだった男性を亡くした女性が、風のふく中、男性のお墓のある教会に出かけていきます。彼のお墓参りをする間、彼女は涙をこらえています。亡くなった彼が「私のお墓の前で泣かないでください」とやさしく語りかけてくれた気がして、涙をこらえて無理をして明るくふるまっている。そんな情景が浮かんできました。