酔漢庵【ゑゐどれあん】~エロケンの酔いどれ日記~

へっぽこプログラマーのつれづれなる日記です。

アマゾンのとあるカスタマーレビューを読んで

2005-02-28 22:11:29 | 酔いどれ日記
以前、アマゾンの、大村あつしさんが執筆された本「Excel VBAに恋をした!?―新人ゆたかのマクロ奮闘記」のカスタマーレビューのコーナーに、この本はウソや間違いだらけだ、というような内容のレビューがのっていました。

同じ本を読んでも、感想は人それぞれだと思いますから、どんな感想をもたれてもかまわないと思います。

しかし、そのレビューでは、「VBAユーザー・・・あえてVBAプログラマーとは言いません・・・のほとんどが、誤った解釈をしています。そしてそして、この本は、そういった誤った解釈を寄せ集めたような内容になっています。」とか、「『あ、またこんなウソ書いてる』、『あらら、こんなデタラメを・・・』といった内容の連続で辟易します。」とか、「この本に書いていることが真実で、それで理解したつもりになっている人は、大間違いしています。」といった感じで、投稿者の方自身の思い込み(持論?)がズラズラと書き連ねてあるだけで、本のどの部分の記述がウソなのか、どの部分の記述が間違っているのか、まったく書かれていませんでした。

したがって、投稿者の方の言いたいことが、読んでいる人にまったく伝わっていなかったと思います。

ウソや間違いだらけだった、といった感想を、カスタマーレビューのコーナーに投稿するのであれば、どの部分の記述がウソなのか、どの部分の記述が間違っているのか、間違っているとしたら何が正しいのか、といったことをきちんと書かれるべきだと思います。

そうでないと、その投稿を読んだ人が、本当に、ウソや間違いだらけなのかどうか判断できないと思います。

ある人が読んでウソや間違いだらけだと思ったとしても、別の人が読んで同じようにウソや間違いだらけだと思うとは限らないからです。

また、著者の方が読まれていた場合、もし、ウソや間違いがあるのであれば、具体的にどの部分の記述がそうなのかということをお知りになりたいはずです。

カスタマーレビューのコーナーは、その本を買おうか、どうしようか、悩んでいる人が、他人の意見を参考にするため、あるいは、その本の著者の方が読者の方の反応を知るため、などの目的で読まれていると思われます。つまり、他の人に読んでもらうことが大きな目的だと思います。

また、冒頭のレビューの投稿者の方が、カスタマーレビューのコーナーに感想を投稿したのは、その投稿を読んだ人に、この本は、ここの記述がウソなんだよ、とか、ここの記述が間違っているんだよ、ということを知ってほしいからだと思います。

他人に、自分の意見を伝えたいのであれば、きちんと伝わるような書き方をすべきでしょう。

ただ、カスタマーレビューは投稿できる文章の文字数に制限があるため、あまり詳しくは書けないということはあると思います。それでも、限られた文字数の中で、できるだけ、自分の意見が伝わるようにすべきだと思います。

こんなことを書いてると、「偉そうなことを言ってるけど、お前自身ははどうなんだ?」と反論される方もおられると思うので、以前、著者の方にメールで送った感想をそのまま転載しておきます。

なんか、読み返してみると、人のことをとやかくいえるような感想ではないですね(^^;

--------------------   こ こ か ら   -------------------→

本書は実に読みやすいので、一晩でさらっと読み終わってしまいました。

自分の経験からすると、VBA に限ったことではありませんが、プログラミング言語で、ある程度、応用的な使い方をしようと思ったときに必要になるのは、応用的な知識よりも、当たり前のような基本的な事柄の深い部分を理解して、それを応用する知識だと思います。

そういう意味では、本書で解説されている VBA の内容は、すでに理解している内容がほとんどでしたが、基本的なことをわかりやすく解説してあるので、入門書でありながら、応用的な使い方をするときにも参考になる書籍だと思いました。

ただ、せっかく、小説と VBA解説が一緒になっているにもかかわらず、その特徴を生かしたVBA のプログラミングの解説が不足している気がしました。

たとえば、本書の中で、ゆたか君は、セル範囲の中からコードを検索する処理を作っていますが、その処理を作る過程は、あまり詳しく触れられていません。
ゆたか君が実際に作ったマクロは、完成したものが本書の一番最後にまとめて掲載されているだけです。

しかし、実際にプログラムを作るときには、以下のような流れになるはずです。

・ある処理の実現方法を考える。
・同じ処理を実現しようとしても、実現方法は何通りもある。
・その中から一つの方法を選んでプログラムを作る。
・プログラムを実行してみると、一度ではうまく動作せず、何度も試行錯誤する。

ということで、本文中に作成途中のマクロのコードをのせて、ゆたか君が、条件文と繰り返し処理を組み合わせて作ったコードの検索処理がうまく動作せずに、試行錯誤している場面が、詳しく具体的に描かれているとよかったなのにな、と残念に思いました。

最後に、本書を読み終えて、続編になるのかどうかわかりませんが、『Excel VBAに恋をした!?』を発展させて、小説形式の解説書の特徴をもっと生かした、以下のような内容の、Excel VBA についての、かんプロシリーズとは違う切り口の解説書があったらいいな、という気がしました。

・小説の形で肩肘はらずに読める。
・登場人物がプログラムを作る時に試行錯誤する場面が詳しく描かれている。
・かんプロシリーズのプロローグ編&ケーススタディ編みたいな位置づけ。

←-------------------   こ こ ま で   --------------------


ところで、冒頭のレビューでは、どこがウソで、どこが間違いなのか、まったく書かれていなかったので、正直言って、反論のしようがないのですが、自分は、「Excel VBAに恋をした!?―新人ゆたかのマクロ奮闘記」には、ウソや間違いは一切、書かれいないと思います。

...って、自分なんかがフォローしても、あまり、お役に立てそうもないですね(^^;