「ぐるくん」のひとりごと

大好きな海のこと、沖縄のこと。 また今関心を持っている韓国語の学習、韓ドラ・レビューなど気ままな雑記

<382> 廃棄物処理問題

2007年03月10日 | 海の話
 『朝鮮日報』の記事を見て、ちょっと考えさせられた。


 「韓国の海は廃棄物だらけ!?」のタイトルで始まる記事の内容は、以下の通り。≪記事文抜粋≫

 ・・・韓国の海に年間で1000万トン近くの廃棄物が捨てられ、海を汚染していることが分かった。 これと関連し、仁川(インチョン)地域の漁民と仁川環境運動連合の会員30人余りは7日、仁川港沿岸ふ頭前の海上で海洋投棄の中断と関連法改正を要求するデモを行った。
 海洋水産部によれば、陸上で発生した廃棄物を合法的に海洋に投棄できるよう定めた1988年以降、海洋廃棄の量は年々増え続け、90年の107万トンから2005年には993万トンにまで増加しているという。
 特に05年の投棄量の3分の1が仁川港を通じて投棄されており、海洋投棄されるのは主にふん尿、畜産廃水、食品廃水、下水汚泥などだ。 これらの廃棄物はコンテナに積み込まれ、船から投棄される。
 現在、海洋水産部は東海(日本海)の2カ所と西海(黄海)の1カ所を廃棄場に指定・運用している。 各廃棄場は、「東海丙」(浦項東方125キロ沖合、水深200~2000m)、「東海丁」(蔚山南東方63キロ沖合、水深150m)、「西海丙」(群山西方200キロ沖合、水深80m)などの海域に位置している.
(「丙」や「丁」は海の一定地域を指定する際に便宜上つけたもの)。 このうち、東海丙、西海丙の海域は既に飽和状態を超え、重金属汚染が深刻な状態にある。
 廃棄物の海洋投棄が激増した理由は単純で、リサイクルや焼却など陸上での処理に比べて費用が4倍から15倍も安いためだ。 しかし、海洋汚染の深刻化を懸念し、海洋水産部では毎年100万トンずつ廃棄物の排出量を減らし、11年までに海洋投棄される陸上廃棄物の量を現在の半分以下に減らす計画を発表している。(略)・・・

 仁川(インチョン)と言えば、今や韓国の空の玄関だし、沿岸での海水浴やフェリーなどを利用して近くの島に渡れて遊べる、都会のソウルの人たちが手軽にリゾート気分を味わえる場所だ。

 その海を舞台にした海洋投棄の実態を知ってしまうと、海水浴どころじゃない・・・

 近年の巨大なくらげで有名な「越前くらげ」の大量発生など、韓国・中国沿岸の海洋汚染が原因か?とも言われている。

 海に区切りは無いので、海洋汚染の影響は拡大する。

 他国の問題と楽観視は出来ない・・・
  

 日本では、廃棄物の処分は原則的に陸上で行う事になっている。(但し技術的・経済的理由などにより海洋に投棄する事が例外的に認められてはいる。)

 国際的な規定として、海洋への廃棄物などの投棄による汚染を防止する事を目的で1972年「ロンドン条約」が採択され、日本も1980年に同条約を締結している。

 その後、海洋投棄規制を更に強化した「ロンドン条約96議定書」が採択された。
 
 外務省HP

 条約概要

 これを受けて「海洋汚染防止法」などの国内法も改正された。

 海洋投棄廃棄物の中で最も多いのはしゅんせつ土砂で年間700万t、次が無機性汚泥で270万t、し尿200万tなどで、ほかに焼酎カスなどの有機性汚泥や、家畜糞尿、廃酸・廃アルカリなどがある。

 海洋汚染を生じないように「海洋汚染防止法」で判定基準が設けられているが、事業者任せの基準適合証明書を付けるだけなので、悲しいかな不法投棄も増加しているそうだ。

 また、直接の海洋投棄でなくとも海洋汚染が問題視されたのが香川県の豊島(テシマ)だ。

 悪質な事業者により1975年から16年間、産業廃棄物が違法かつ大量に投棄または野焼きされ処分されていた。

 不法投棄の実態を調査した公害等調整委員会によるとが約56万トンの廃棄物が投棄されていた事が判明。

 同委員会の調停手続を経て、事業者側が住民に解決金を支払い、(香川)県が住民に謝罪し廃棄物を撤去・処理する事となった。

 隣の直島も巻き込んで、廃棄物の中間処理(高温焼却による溶融固化)施設、防水シートなどを敷設した処分場を建設しての処分などを行っている。

 また豊島には汚水処理施設(廃棄物を遮水シートで覆い、瀬戸内海岸沿い360mに渡って、汚水の流出を防ぐ為の遮水壁が地下18mの深さまで打ち込んである)を建設した。

 負の遺産を抱えた豊島の再生は多くの時間とお金を費やさなければならない・・・

 香川県作成の「豊島問題」HP


 人間が楽して、手軽に便利に暮らそうとすればするほど、増加する廃棄物。

 その処分、最終的に持ち込まれる産業廃棄物の最終処分場の建設は日本全国困難を極めている。

 その搬入に際しての危険と丈夫な防水シートで遮断した施設とは言え、廃棄物に含まれる有害物質が雨水などにより地下水や河川、海の水質を汚染する可能性がある。

 「安全」を謳い文句に建設認可を得ようとする事業者・・・候補地は大概が自然の残された場所だ。

 本当に安全ならば都庁や県庁の隣あたりに、りっぱな処分場を造ったらと思ってる。

 多くの人が目に出来、ゴミを出す排出者全員が廃棄物のあり方を考えていく上でも有効だと思うが・・・

 沖縄でも最終処分場建設予定地についてもめている。 →こちら

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