「ぐるくん」のひとりごと

大好きな海のこと、沖縄のこと。 また今関心を持っている韓国語の学習、韓ドラ・レビューなど気ままな雑記

<427> 『商道』 出会い・・・縁 ①

2007年05月15日 | 韓国ドラマ
 人が生きる上で遭遇する出会いと別れ・・・

 その中でも大きく自分の人生に影響を及ぼすものがある。

 『商道』でも、縁(えにし)を考えさせる出会いがいくつもあった・・・


 「商仏」と言われるサンオクも、若き日、恨みに胸を焦がし、屈辱の日々を送った時期があった。

 彼が訳官仕官をあきらめ、商人への道を進む大きな転機は、父との壮絶な別れだった。

 科挙受験の費用を作るため、父イム・ボンヘクと共に謝恩使(サウンサ)使節団に随行する松商(ソンサン)の貿易商団の馬子として清国に入国する。 

 使節団長であった戸曹判書(ホショバンソ)ユン・ヂョンホが清国の市井で遭遇した難儀を得意の中国語で偶然助けた事から、彼の記憶にとどまる事になる。

 帰国の際、松商大房(テバン)パク・ヂュミョンが秘かに輸入しようとしていた禁制の硫黄を発見され、その濡れ衣をイム親子がきせられる。

 硫黄が火薬に材料だった事から、折り悪く謀反<恩彦君(ウンオングン)推載の嫌疑>の罪で捕らえられた一派の一味とされ、なんと「大逆罪」。

 無実の罪を叫べと斬首の刑が宣告される。

 謀反の長として投獄されていた友人の高官キム氏を義禁府の獄に秘かに訪ねたユン・ヂョンホは、獄にいるサンオクに気付き驚く。

 さすがのユン氏も自分の力は及ばないと無念顔・・・

 いよいよ刑執行の日、ユン氏の計らいでサンオクだけは斬首を免れ、官となるも命をつないだ。

 官として定州官衙(チョンジュグァナ)管轄の平安(北)道、開川(ケチョン)宿駅で馬の世話をしながらも、無実の罪で斬首された父、安否すらのわからない母や妹、弟の事で胸を痛め、激しい恨みを秘めていた。

 済州島に流刑になったチャングム同様、サンオクも何度も脱走する・・・

 
 後に松商に参入し敵となるナプチョンの鍮器廛で鍮器場(鍮器の製造工房)を経営するキム・デチュン(チャングム/ヨンノの叔父、ユン・マッケ役)は、官需鍮器の受注を一手に受けている事から、役人たちに袖の下を渡し、官を自分の工房で労働させ、見込みのある者は免賎して雇っていた。

 ここでサンオクはパンチャ鍮器の製造を学ぶ。

 今までの取引相手の湾商(マンサン)を裏切り、松商と取引を始めたキムは荷を義州松房(松商の義州支部)に納める。

 その際、サンオクも人足として同行し、許しを請うて、気になっていた我が家を訪れる。

 しかし、無人となった家は荒れ果てていた・・・

 寺党牌(サダンペ)の友人、ボッテからなんと弟サンヒョンもナプチョンの別の鍮器場に居る事を知らされる。

 再会したサンヒョンは大火傷をして満足に治療もしてもらえぬまま、伏せっていた。
  
 サンヒョンの為に再び脱走を試みるサンオクだったが、自分は捕まり、他の極悪囚と共に厚昌(フチャン)鉱山での強制労働の為、押送される。

 途中の江界(カンゲ)宿駅で、行く先の村で疫病が発生した為、足止めとなる。

 宿駅の官にまで疫病が発生し、その死体を処理する使役に駆り出されたサンオクと太峰山(テボンサン)の盗賊の頭。

 そこで、その盗賊の手下たちが同行の官吏たちを皆殺しにし、頭を救出する。

 頭の誘いを断ったサンオクは、ふと運んできた亡骸に涙している女に気付く。

 宿駅の官ユン・チェヨン(キム・ユニ)だった。

 自分を実の子のように守って下さったこの方亡き今、宿駅に戻る気はないと、サンオクに一緒に連れて行ってくれと懇願し、共に逃亡する。

 敢えて封鎖されている疫病の村に入り、捜索軍の追っ手をかわす二人。


 行く当ての無いチェヨンをボッテらに託し、自分は山寺に身を潜める。

 この寺の裏山には若き日のサンオクの父ホンヘクが科挙試験のために勉学に励んだ洞窟があった・・・

 その後、住職ソッソン坊は、「一つの殺人剣を捨て、人を為、世の為の千の剣で生きよ」と復讐だけで生きていく虚しさを諭し、人生の岐路に立った時にと二つの封書と一つの盃をサンオクに与えて、送り出す。

 この3つのプレゼントでサンオクは本当に危機をくぐり抜ける・・・


 キム氏謀叛の件は御命で赦免となり、「大逆罪」での処分が取り消された。←チャングムの中宗もクーデターで擁立された王だったが、李氏王朝はまさに官僚たちの権力抗争、党派政争の歴史でもあった。
 邪魔な相手を陥れる策謀として、謀叛の罪を着せられる事も多々あったようだ。
 恩彦君自身は王座には就けなかったが、その孫が純祖(スンジョ)の2代後、第25代王、哲宗(チョルジョン)として即位している。
  

 家に母、弟サンヒョンが戻り、脱走したサンオクも取り調べの後解放される。

 ここで、サンオクは湾商のホン都房(トバン)を訪ね、商人としての道を踏み出して行く。


 一方、貧しいながらも家族のように受け入れてくれた寺党牌仲間と暮らし、美しく憂いを秘めたチェヨンの舞いは人気を博していた。

 その舞いを見た松商のパク大房は心惹かれ(この感情がどう言うものなのか、最後まで判らなかったw)、チェヨンを自分の元に来るよう誘う。

 自分の命の恩人とサンオクを秘かに慕い想うチェヨンは、松商の行首(ヘンス)ジャン・ソッジュ(チェオクでも悪徳商人ダルピョンを演じていたチョン・ホグン・・・確かに悪役面w)の陰謀で、サンオクが運搬した朝廷からの救恤米に細工をされ、その咎で捉えられ漢陽(ハニャン)の捕盗庁(ポドチョン)送りになるサンオクを救う為、パク大房に自分の身柄と交換にサンオクの放免を掛け合う。

 パク大房はチェヨンを妾にする訳でもなく、漢陽の松商の屋敷で仕事上の接待の席の責任者的な事をやらせているみたい・・・

 チェヨンは実は弘文館大提学(王の諮問機関で経書の管理をする)ユン・ソンビルの娘だった。

 正二品の位だから、良いとこのお嬢様だった訳。

 ユン氏は謀叛の嫌疑をかけられ斬首、娘のチェヨンも官に身を落していたのだった。

 後にユン氏の汚名返上の働きかけが起こり、身分を回復するが、愛娘のチェヨンの行方がわからないままだった。

 松商を視察に着た宣恵庁(ソンヘチョン/税を管理と朝廷への物量調達を行う←チェングムではオ・ギョモがこの役所の堂上だったよね~ だからチェ・パンスルが賄賂を積んで取り入ったのかぁ・・・)の若き戸曹正郎(ホジョジョンウン/正五品の実務担当官)ジャン・ミョングッは、接待の席で女ながら博識を匂わせたチェヨンを気にとめ、素性を知る。

 後半、チェヨンはこのジャン・ミョングッと夫婦になって、共にサンオクを支援していく存在になる。

 チェヨンはサンオクへの想いは遂げられなかったけど、父ソンビルを尊敬し、自分を一人の人間として尊重してくれるジャン氏と一緒になれて、良かった~


 先のユン・ヂョンホも朝廷内の重鎮となり、サンオクの危機を救う。

 良縁、悪縁様々だけど・・・サンオクの座右の銘の一篇「人中直似衡」通り、人生の秤は、正しく生きる事で均衡を保ってくれるようだ。

 何気ない出会いが、自分の人生に大きな意味を持つ事があるのだから・・・


 ※『商道』、朝鮮半島の地図を片手に見ると面白さ倍増wだったので、地名を極力入れてみた。←定州のナプチョンだけは漢字表記が不明
  


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