「ぐるくん」のひとりごと

大好きな海のこと、沖縄のこと。 また今関心を持っている韓国語の学習、韓ドラ・レビューなど気ままな雑記

<405> 学ぶと言う事

2007年04月10日 | 沖縄
 ピカピカの一年生が目に付く今日この頃。

 去る3月11日にこんな卒業式があった。→珊瑚舎スコーレ夜間中学校

 珊瑚舎スコーレ夜間中学校は2004年に那覇市に開設されたNPO法人が自主運営する民間の夜間中学、フリースクールだ。

 授業はボランティアの講師20人以上が交代で担当している。

 生徒は戦中戦後に学齢期を迎えた人がほとんどだそうだ。

 月~金曜日の18:30~21:30まで、読み書きや数学、英語、理科などの中学教科の授業の他に、音楽の代わり?民謡の授業もあるそうだ。

 この春、第一期生が初めて卒業を迎えた。


 激戦地となった沖縄では、戦中戦後の混乱で小・中学校に通えなかった人がたくさんいた。

 「珊瑚舎スコーレ夜間中学校」で学んできた60代~70代の女性7人に対し、沖縄県教育庁は中学校の「卒業」を認定を決定した。

 学校教育法施行規則第63条2項を適用し、「中学校と同等の在外教育施設の課程を修了した者」として認めたのだ。

 民間団体が運営する自主夜間中学で高校受験が可能になるのは、札幌市の自主夜間中学に次いで全国2例目だと言う。

 従来は文部科学省の「中卒認定試験」に合格する必要があった。


 この事により卒業生は定時制や通信制高校への受験が可能になり、進学の道も開かれた。

 沖縄戦や戦後の生活難に巻き込まれ、就学の機会を失った事を配慮した特例措置だそうだ。

 学びたくても学べなかった人たちの苦労を考慮し、一回限りでなく戦後処理が続く限り、この特例措置は継続されると言う。

 卒業証書は現在の居住地にある当該の中学校の校長名で作成され手渡された。
 

 そして新学期を迎えた4月、「珊瑚舎スコーレ夜間中学校」を卒業した60~70代の女性6人が那覇市にある県立泊(トマリ)高校定時制夜間部に入学した。

 入学式で新入生として名前が呼ばれたそうだ。

 泊高校國場校長は式辞で「学びたいとの積年の思いを実現し、皆さんが夢にまで見た高校生活が今日から始まる。充実した高校生活となるよう期待する」と激励。

 山城良子さん(77歳)の「校長の言葉に涙が出て、本当に高校生になったんだなと実感した。英語の勉強などやりたいことがいっぱいある」とのコメントには、学ぶ事への喜びが溢れている。


 今、全国で小中学校に通えない子供たちがたくさんいる。

 「不登校」の原因は様々で、子供のメンタルな部分も充分にケアしなければならない問題となっている。

 通学できれば問題ないと言う訳ではないが、今の日本の教育に子供たちの心を震わせ「学びたい」と言う意欲を起こす要素が余りにも低いように思えてならない。

 先生たちより人生経験を積んだ新入生たちがかみ締めている「学ぶ事の喜び」を生きる事にさえ無気力になっている子供たちに伝えられたら・・・


 高校では、新しい級友と一緒に初めての給食を味わったそうだ。

 メニューは「イナムドゥチ『猪(イナ)もどき』(沖縄の祝いの料理には欠かせない、具だくさんの味噌汁)」。

 豚の三枚肉、卵をたっぷり使って作られた「カステラかまぼこ」、こんにゃく、しいたけなどが入る。

 豚だしプラス鰹だしに白甘味噌で調味し、しばらく煮込む。

 とろりとした甘いお味噌汁だ。
 

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