かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 400

2022-01-10 17:30:51 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究48(2017年4月実施)『寒気氾濫』(1997年)
    【睫はうごく】P160~
     参加者:T・S、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:渡部 慧子    司会と記録:鹿取 未放


400 やまざくら抱くさっかくにおちいりて大空のごとく瞑りていたり

       (レポート)
 「やまざくら」とは恋人なのだろう。「さっかくにおちいりて」に、はにかみを込めているのかもしれない。目を閉じて、しみじみそのときを味わったであろう。(慧子)


      (当日発言)
★自分が大空になっているんですね、目をつむって。(T・S)
★やまざくらと大空の取り合わせがいいなあと思いました。でも、「さっかくにおちいりて」がよ
く分からないですね。(A・Y)
★抱いていたのは女性なんですね。でも、里の染井吉野のような華やかなさくらではなくてやまざ
 くらというところがいいですね。ちょっと野生があって素朴で、つんとすましたような都会の桜
 とは違う。それで女性を抱きながら、素朴な山桜をおおらかに包み込む大空のように自分は目を
  瞑っていた。(鹿取)

コメント
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