かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 398

2022-01-08 18:04:17 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究48(2017年4月実施)『寒気氾濫』(1997年)
    【睫はうごく】P160~
     参加者:T・S、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:渡部 慧子    司会と記録:鹿取 未放


398 われを赩(あか)くしてしまいたるほほえみにそっと体重へらされてゆく

     (レポート)
 「ほほえみ」の人に作者は赩くなり体重はへるという。赩の持つ生命力あふれるイメージがありながら、「そっと」体重はへる。体の全神経を一点に集中させるとこのようになりうるだろう。恋をしているときの体の不思議な感じが喜びと共につつましく描かれる。(慧子)


     (当日発言)
★「体の全神経を一点に集中させると」というのは、どういうことですか?(鹿取)
★恋に全神経を集中すると心がきゅんとなった。(慧子)
★では、一点は恋ですか。彼女がほほえんだだけであかくなってしまう、そしていつもいつも彼女
 のことがこころから離れないので食欲もなくなって体重も減っていく。(鹿取)
★だれにでもあるようなことをすばらしい歌にしていますね。
コメント
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