かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 405

2022-01-15 17:17:01 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究48(2017年4月実施)『寒気氾濫』(1997年)
    【睫はうごく】P160~
     参加者:T・S、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:渡部 慧子    司会と記録:鹿取 未放


405 音楽に満つる銀河と君はいうここにコーヒーカップがふたつ

    (レポート)
 どこかのお気に入り空間でよい音楽につつまれていよう。二人の今という現実が「音楽に満つる銀河」と詩的にとらえられる。さらに「ふたつ」とはつくづくよい数であり、又、よい和語だ。ゆたかな空間に二人のよい時が流れる。(慧子)


    (当日発言)
★下句、唐突に画面が変わりますが、鮮やかな感じです。(A・Y)
★この歌は好きな歌で哲学的な感じがします。「音楽に満つる銀河」って世界は音楽にみちみちて
 いるっていう、それは現実に演奏された音楽ということではなくて、小鳥の声も自然界の音も、
 いろんなものをさして「音楽」って言っているんだと思います。「世界」ではなく「銀河」と言
 っているので、地球の外の無音も含めて哲学的なある調和の状態を言っているのでしょうか。も
 ちろん、喫茶店でも音楽は流れているのでしょうけど。まあ「君」がそう感じるのはふたりがこ
 こちよい関係にあるからだと思いますけど。肯定感がいいですね。(鹿取)

コメント
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