かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 394

2022-01-04 18:43:41 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究47(2017年3月実施)『寒気氾濫』(1997年)
    【睫はうごく】P157
     参加者:泉真帆、M・S、鈴木良明、曽我亮子、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:鈴木 良明     司会と記録:鹿取 未放


394 撓うときあらわなるきみのむねのほね吾(あ)はやわらかに鳴らしてみたし

    (レポート)
 前の歌に続く性愛の場面のようだが、君が身体を撓わせたとき、思いがけずあらわな胸の骨に気づいて、そのほねをやわらかに鳴らしてみたい、その音色を聴いてみたいと思ったのだろう。(鈴木)


   (当日発言)
★女性の体を楽器のように例えていますね。(慧子)
★俵万智も『チョコレート革命』で自分の体を楽器に例えていましたよね。この歌、上句とてもリ
 アルですよね。下の句は実際に骨を鳴らすわけではなくて、比喩ですね。(鹿取)
★性愛の歌だと分かりますし、優しいですね。(曽我)


  (後日意見)
 当日の鹿取発言「俵万智も『チョコレート革命』で自分の体を楽器に例えていましたよね」は思い違いで、楽器に例えられているのは男性だった。(鹿取)
  生えぎわを爪弾きおれば君という楽器に満ちてくる力あり  俵 万智
コメント
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