Mr.Dashのぶろぐ館

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2023年1月12日(木)[丹波]日ヶ奥渓谷から妙高山、神池寺へ、「丹波叡山」の山を歩く!

2023年01月13日 | 山登りの記録
■メイン写真
シダやコケで鬱蒼とした雰囲気の日ヶ奥渓谷の遊歩道を行く


■今回のコース
日ヶ奥渓谷キャンプ場駐車場→白龍の滝(雌滝、雄滝)→妙高山→神池寺→三角点「タキガナル」→
展望広場→日ヶ奥渓谷キャンプ場駐車場

前々から行ってみたかった日ヶ奥渓谷と、その奥にある山寺・神池寺(じんちじ)を訪ね歩いた。
小規模だが神秘的な雰囲気がすばらしい渓谷、かつての丹波修験の隆盛を感じる寺と、
時折、踏み跡程度になり、本気でルートファインディングをしないと分からなくなるルートと、
愉快極まりない周回ルートだった。



日ヶ奥渓谷キャンプ場をスタート。チャートでできた岩峰、発電所跡などを観ながら
渓谷の遊歩道へ。それぞれの案内パネルが非常に的確で、勉強になる。



なかなかいい雰囲気になってきた。



白龍の滝、まずは雌滝(8.7m)。2段になっており、鎖で上れるが、戻ってくる
のが危なそう。
ツルッといったら、足元の腰ほどの深さの水にドボンだ。今日はやめておこう。



遊歩道を巻き上がると、雌滝中段の大きな釜が見下ろせる。
この釜は7m×5m、深さは4.5mあるという。
神池寺の小坊主を次々に襲っていた大蛇が、小坊主そっくりの毒入り人形を飲み込み、
この釜に入ったところ浄化され、白龍に変わって昇天したという伝説があるという。



200mほど先にある雄滝は落差9mある。

沢沿いの作業林道を奥へ。おおなるの先の分岐で右の林道に入ると、すぐに市有林の標識がある
分岐に着く。左の草深い道に入り、薄い踏み跡をたどる。
巨岩を左に見て、植林の中の鞍部に登る。足跡がほぼ消えた広い尾根筋を、ひたすら上へ上へと
一直線に上り詰めると、妙高山の山頂に出る。



妙高山のピークは三角点があるものの展望は皆無。石灯籠と崩れた祠があるのみだ。
かつては神池寺の奥の院的な位置づけだったのかもしれない。



山頂からは明瞭な道が続く。どんどん下っていくと、古いアカガシの巨木がある。ド迫力である。
この樹を見つけられただけでも、このルートを歩く価値があると思ったくらいだ。

神池寺の本堂への道と、大覚殿へ下る道へ分岐する個所では、標識も立っている。
ここは大覚殿へのルートをとると、左手に広々とした平地が現れる。
かつてが大寺院だったことが容易に推測できる規模だ。



四角い水源地があり、常行堂の裏に出てきた。



観音堂や寺務所などをひととおり見物し、長い石段道を上がる。

神池寺は養老2年(712年)、法道仙人が開基した天台宗中本山の寺。
聖武天皇の勅願所となり、行基や慈覚も足を運んだという。
最盛期は堂塔五十余、僧坊二百を数え、「丹波叡山」と称された。

少し下には平重盛の五輪塔があったり、南北朝期には大塔宮護良親王がやってきて、山門衆徒を
募り京に兵を進めたという。大塔宮護良親王といえば、奈良県天川村の観音峰の岩屋に身を
隠した皇子様で、まさかこんなところでまた巡り合えるとは思っていなかった。
明治の廃仏毀釈で土地を召し上げられ、さらに昭和40年の台風にて本堂、講堂が全壊。
地元有志の尽力で再興となった。



仁王門を通り抜けると、びっしり生えたコケの奥に本堂がただすむ。



宝篋印塔の横から、ふかふかのコケの向こうに行者堂。



隣に広々とした空き地があり、「縣立自然公園」の大きな碑が立っていた。



寺務所のほうに戻り、北への作業林道に入る。
地蔵、六体地蔵、墓地があり、道は左に大きくカーブする。
一見、林道終点のような平たいピークに出るが、倒木帯があるだけで道は先に続く。
めげずに進んでいくと、変形4差路に下り立つ。



左下へ続く道をとると、日ヶ奥への朽ちかけた道標がある。少し下ったところの分岐を左に
とる(実はこのへんで少し迷った)と、巨岩の前を通り小沢を渡る。
対岸にも倒木があり紛らわしいが、朝、歩いた林道の延長線上に出る。

このまま沢筋を500mばかり下れば、朝に通った分岐に出るのだが、
すぐのコルで北へ急登の尾根に乗る。



植林が終わり、丹波の山らしいアカマツ主体の明るい尾根だ。
道標やテープのたぐいは一切なくなる。たぶん秋はマツタケ山なのだろう。



西に少し展望あり。多紀連山のはずれあたりなのかなあ、ちょっと分からない。
南にはさっき登った妙高山が逆光で見えている。



すごい急登をしのぎ、小ピークを越える。そこから一気に下り、少し登り返すとタキガナルの
三角点に出るが、こちらも展望はまったくない。

踏み跡は全くなくなるように見えるが、雑木林の中、西へ尾根筋を忠実にたどると、
キャンプ場の展望台への道標を見つける。
ただ、その後も踏み跡は薄い。キャンプ場への分岐に出ると、展望台へはあと200m。



コシダのヤブ漕ぎ道を進めば、ベンチが置かれた展望台に出る。
展望台の先はスッパリ切れ落ちた岩なので、転落防止のロープが張られている。
向こうに向山連山、黒井城址などが見える。



さらに右に視線を送ると、先日歩いてきた鷹取山、五台山の尾根が見えた。

キャンプ場へ下る遊歩道は、イノシシが熱心に掘り起こしすぎて、ひどく歩きにくくなっている。
沢にかかる木橋も板が腐りかけていて、近年は整備されていない感じがする。
足を取られないように用心しながらバンガローが並ぶキャンプ場の裏手に出た。



駐車場から振り仰ぐと、さっきまでいた展望台が見えた。

景観や歴史に触れられたのはもちろん、地図とのにらめっこも楽しい山行だった。

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