
■メイン写真
360度開けた三嶺の山頂
■今回のコース
27日 名頃駐車場→三嶺林道横断点→ダケモミの丘→三嶺ヒュッテ分岐→三嶺→三嶺ヒュッテ→
奥祖谷観光周遊モノレール跡→いやしの温泉郷跡→旧小采家住宅→菅生バス停⇒(三好市営バス)⇒
名頃下バス停
28日 ラ・フォーレつるぎ山駐車場(丸笹山登山口)→25番石仏→30番石仏の大岩→丸笹山→
赤帽子山分岐→貞光川源流点→ラ・フォーレつるぎ山駐車場
ゴールデンウイーク前半は、かねてより行ってみたかっ四国の三嶺。徳島県側からは「みうね」、
高知県側からは「さんれい」と呼ばれる四国屈指の秀峰である。
初日(26日)は前泊のための移動のみ。
美馬ICを下りたら、新しく「道の駅 みまの里」ができていたので、さっそく立ち寄り、
ここで昼食をとった。道の駅コンテストで銀賞をとったというラーメンに舌鼓。
見の越への道中、車道脇に咲いていたユキモチソウ。
道中、覚悟していた渋滞はなく、早々に見の越に着いてしまったので剣神社にお参りに行った。
27日はすばらしい天気に恵まれた。民宿の窓から見える三嶺に心が躍る。
クルマを名頃駐車場へ。ちょうど満車になっており、やむなく名頃下バス停の公民館らしき
場所に停めさせていただく。公民館らしき場所には、妙にリアルな案山子が大勢いらっしゃった。
名頃駐車場にはトイレがある。
右奥が登山口だ。三嶺までちょうど5kmだという。
最初からなかなかの急坂だが、気持ちのいい広葉樹の林。ヤドリギが多数ついていた。
名頃駐車場から延びている三嶺林道(進入禁止)に合流するが、登山道はすぐに尾根に逃げる。
やがてうっそうとした針葉樹の森に変わる。小ピークは「ダケモミの丘」と呼ばれる。
丘を下り、また登り返すと、展望が開けた尾根に出る。三嶺から丸石を経て剣山へと続く
雄大な稜線が見えた。
足元が笹原に変わると、背の高い樹はだんだん減ってくる。
剣山、次郎笈をバックに急坂を登る。
山頂直下にはそそり立つ垂直の岩峰。ここまでのおだやかな山容が嘘のようだ。
山頂部に出るまでのわずかな距離だが、一歩一歩の段差が大きくつらい。
尾根に出ると、ヒュッテ横の池にはまだ残雪がみられた。
写真を見るだけなら、まさに初夏の北アルプスのようだ。
さっき登ってきた急坂を振り返る。
後ろに剣山と次郎笈。
山頂直下からヒュッテと池を見下ろす。
三嶺の山頂に到着。
この日は風がほとんどないポカポカ陽気。山頂でゆっくりランチを楽しんだ。
枯れたように見えるのは、天然記念物に指定されているコメツツジ。
かわいい白い花が咲くのは、暑い7月中旬以降となる。
眺めを楽しむ。東へ、剣山と次郎笈。
西へ、天狗塚へと続く長大な尾根。
山頂直下の岩峰にて。
三嶺ヒュッテに立ち寄る。無人だが、板張りの清潔な小屋だ。
すぐ裏手には別棟のトイレがある。
菅生への長い下山路。登山道の幅が明らかに細くなる。
少し前の大台ヶ原を思わせる白骨林と背の低い笹原で、開放的な雰囲気だ。
1791mピークに登り返す。バックにさっきまでいた三嶺がどっしりと。
1791mピークを下ると、等高線が緩むところに出る。
ササの平原から、当ノ丸、丸笹山、剣山、次郎笈を遠望する。
どんどん下っていくとスギとヒノキが混生する植林帯になる。
その中で見つけたのはシロバナエンレイソウ。
ヤマシャクヤクの株もたくさん見られたが、蕾はまだ固かった。
麓にあった「いやしの温泉郷」(2021年に休業)ご自慢の「奥祖谷観光周遊モノレール」
の軌道を何度かくぐる。
このモノレール、全長4600m、高低差590m、最大傾斜度40度、最頂標高1380mと、
観光用モノレールとしては世界一の規模を誇っていたが、16台あった車輛のうち
8台が故障するなどで休止されているとのこと。
伐採地に出てきた。
登山口の標識が立つ場所に到着。伐採のためのブル道のおかげで、ここから集落の舗装道に
出るまでのルートが非常に分かりにくくなっていた。
いやしの温泉郷跡の横を通り抜けると、右に旧小采家住宅(国指定重要文化財)が現れる。
これは、天保年間(1830~44)、祖谷独特の建築法でできており、土壁を保護する「ヒシャギ竹」
と呼ばれる割竹で外壁の表面を覆うなど貴重なもの。昭和58年8月、旧東祖谷山村栗枝渡集落から
ここに移築復原された。
菅生バス停までの舗装道が長く感じたが、桃源郷のような民家の庭先に癒される。
ヤエザクラもまだまだ満開。
植林の林床にはヒトリシズカ。
ヤマブキも。
国道439号線にかかる橋から、祖谷川の美しい流れを見下ろす。
菅生バス停のすぐ先に、唯一設置されている自動販売機。オアシスそのものである。
16:51発のコミュニティバス(ハイエース・コミューター)に乗って、朝、クルマをデポした
名頃下へ。集会所の中を覗くと、案山子の結婚式が行われていた。
28日、大阪に戻る日だが、午前中に短いハイキングを楽しむ。
天気は前日とは打って変わって、いつ雨が降り出してもおかしくない感じ。
スマホの雨雲レーダー画面とにらめっこしながら、ラ・フォーレつるぎ山を起点に丸笹山をめざす。
第25番の石仏。調べたら、どうも北麓の一宇から剣山へと続いていた八十八ヶ所の
石仏の可能性がある。
緩い上り坂の歩きやすい登山道を進み、尾根に乗ると、第28番の石仏をみたが、
第26番、第27番は見落としたのか、気づかなかった。昔とはルートが変わったのかもしれない。
第29番石仏と、そのすぐ奥のオーバーハングした岩の下に第30番石仏があった。
これ以降、石仏を見ることはなかった。
苦もなく、50分ほどで丸笹山の山頂に到着。ここも、なかなかの絶景の山だが、
人気の日本百名山・剣山のすぐ北側にあることで却って人が寄りつかないようだ。
山頂から、剣山を望む。すぐそこにあるように見える。
山頂の南側直下の岩峰の上からは、大塚製薬つるぎ山荘や第2駐車場などが、
すぐ真下に見えた。
下山は丸笹山の北側をトラバースする登山道を利用。苔むした沢筋の道を行く。
貞光川の源流を示す標識。
ここから水が引かれており、ラ・フォーレつるぎ山の名水コーヒーは、この水を
使用しているらしい。
あともう少しでラ・フォーレつるぎ山に着くというところで、とうとう雨が降り始めたが、
よくもったほうだ。
帰りは道の駅 貞光ゆうゆう館で昼食を楽しんで、山行を締めくくった。