押しても駄目なら

風が吹けば、と共に非線型現象の第二例でしょう。

「はやぶさ」と小惑星いとかわ

2005-11-03 10:00:04 | きのうきょうの話題
日経の報道によれば、一時姿勢制御装置に不具合が報じられ、小惑星いとかわからのサンプル回収が危ぶまれていた「はやぶさ」だったが、その後、別の姿勢制御系でのミッション完遂の方策の目処がたって、その成果が期待されている。
この「はやぶさ」の探査目標、ミッション、は国際的に高く評価されている。それは例えば、英国の権威ある科学雑誌Nature Vo.437 15 September 2005 p.305 New にある。ヘッドラインには「飛翔体はやぶさは現在予定コースを進んでいてこのまま旨く行けば、小惑星のサンプルを最初に採取して持ち帰る事になり、その科学的な成果の費用対効果は極めて大きい」とある。小惑星は火星と木星との間に多数あり、これは太陽系の力学的な不安定性により、太陽系形成の初期段階に大きな原始惑星が壊れたものと考えられている。従って、小惑星には太陽系の初期の状態が残されていると科学者の間では想像されているということだ。この記事の後、不具合が報じられた訳であるが、それらの経緯は宇宙航空研究開発機構のwebsiteで閲覧する事が可能である。新聞紙上に報じられたいとかわの近接写真はごく一部で、ここには沢山貼られていて、眺めているだけでも楽しい。勿論、これらの写真の詳しい解説もある。

小泉首相が最近靖国神社を参拝した時、駐日中国大使王大使が中国人民が人間衛星を打ち上げ、無事帰還を祝っている時にけしからん、と語ったと伝えられたが、あれは科学的意義は少なく、政治的意義の高いエンタープライズである。その意味で王大使の発言はその目的に沿った発言と言う事出来よう。