知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

「京都御所~秘められた千年の美~」(NHKスペシャル)

2018年04月22日 17時03分10秒 | 日本の美
NHKスペシャル「京都御所~秘められた千年の美~」(2015.1.1放送)

 私は京都へ出張へ行くと、京都ブライトンホテルに泊まります。
 このホテル、とにかく朝食が美味しいのです(確か西日本ホテルランキング第1位)。
 そして京都御所まで徒歩5分という立地。
 宿泊の際には、朝食前の御所散歩が日課になります。

 私にとっての京都御所は、大きな木がたくさんあることが魅力。
 巨樹好きも私にはたまりません。

 とくに、御所内に鎮座する「宗像神社」にはフクロウが営巣するケヤキの巨木と、奥にあるご神木(樹齢600〜800年、ただし塀の向こうで近づけません)が見所です。
 宗像神社境内にある摂社・末社も屋根が檜皮葺なので日本人DNAが反応します。

 さて、録画してあったNHKの「京都御所」という番組を見てみました。
 私の興味とは方向が異なり、御所内部を撮影した貴重な映像です。
 秋の紅葉が見事で、優雅な王朝時代を彷彿とさせました。

 三種の神器(の分身)を収めていた部屋も映されるとは想定外(いいのかなあ)。
 三種の神器は歴代天皇さえも直視することはなかったそうです。
 現在、これらは東京の皇居に移されています。
 天皇即位の儀の際には、玉座の両側に用意される映像もありました。

 三種の神器の本物は、八尺瓊勾玉以外は皇居以外の場所にあります。
 草薙の剣は名古屋の熱田神宮に、八咫鏡は伊勢神宮。



<内容>
 京都の中心にある広大で神聖な空間、京都御所。平安時代の華麗な文化が厳格に守り継がれ、建物から調度品一つ一つに至るまで、伝統工芸の粋が集められている。一方、御所は平安貴族の王朝絵巻はもとより、信長、秀吉の戦後時代から幕末維新の動乱まで、千年の長きにわたり日本の歴史の檜舞台でもあった。今回NHK京都放送局では、非公開の京都御所の内部を、高精細4Kカメラで通年取材する許可を得た。
 代々の帝が即位の時に座った玉座「高御座(たかみくら)」は、麒麟や鳳凰が描かれた台座に螺鈿(らでん)の椅子、その上に金銀をちりばめた6mの覆いがかかる巨大な美術品だ。帝の“応接室”と呼ばれる一間は、当時大陸から運ばれた群青(ぐんじょう)や金など貴重な絵の具をふんだんに使った極彩色の障壁画に囲まれ、輝きを放っている。そして、源氏物語や枕草子の舞台ともなった御殿・清涼殿は、帝が暮らした時代の様式を大事に守り伝えている。
 今回は御所の美しい姿を保ち、後世に伝える、匠たちの技も取材。奥山で採取した樹齢100年の檜の皮で、屋根の優美な曲線を作る技術や、御所・離宮にだけ伝わる壁塗りの技法などを記録した。京都に残された、最後の聖域、京都御所。その全容を明らかにする。

(ディレクターのつぶやき)
 「日頃見ることができないものを見て、立ち入ることのできない場所に行く」という素朴な好奇心から、今回の番組の取材はスタートしました。
 年間5千万人以上の観光客が世界中から訪れる大観光都市京都の中心にある不可侵な空間、京都御所。広大な敷地の中にはほとんど人の気配がなく、重々しい障壁画に囲まれた薄暗い御殿の中は他の場所にはない独特の空気が流れています。無人の中咲き誇る千年前の歴史を秘めた桜や一木一草まで極上の献上品で作られた庭。
 言葉では言い尽くせない御所独特の空気感を表現するために、今回導入したのが高精細4Kカメラです。まだまだノウハウが確立されていないため、一日の撮影で数テラバイトに及ぶ素材をどう管理するか、被写体に対しどのレンズを選びどういうライティングをするかなど日々試行錯誤の連続でしたが、なんとか無事放送にこぎつけることができました。
 今回の番組が21世紀初頭の京都御所の姿を後の世に伝える記録となってくれれば、制作者としてこれに勝る喜びはありません。
 最後になりましたが、1年間の長期取材におつきあいいただいた宮内庁京都事務所の皆様に厚く御礼申し上げます。


※ 「京都御所 至高の美の守り人」(2018年放送)は題名は少し異なりますが、同じ内容のようですね。

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