知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

日本民家園の旧和田家住居

2011年10月06日 21時42分23秒 | 民俗学
 BS朝日の「百年名家~築100年の家を訪ねる」という番組を時々見ています。
 歴史ある建造物を訪ねて語り部に解説してもらう内容で、民家から洋館まで何でもありなのが民放らしい。

 先日放映された川崎市にある「日本民家園」。
 日本各地の民家をそのまま移築して展示している画期的な博物館です。
 私としたことが、今まで知りませんでした。

 その中でも特に興味を引いたのが千葉県九十九里町の旧作田家住宅(17世紀建築)。
 二棟連結構造で、座敷のある母屋と土間がくっついた形です。
 その姿を見た瞬間、ある本の記述が頭に浮かびました。

 それは「日本人の心と建築の歴史」上田 篤 著、鹿島出版会(2005年発行)

 上田氏は、土間は縄文時代の竪穴式住居の名残、座敷は弥生時代の高床式イネ倉庫の名残、元々は別に離れて建てられていたものが、時代が下るに従い合体したのが日本民家の一つの原型であろう、と推論しています。
 イネの倉庫であった高床式建築は、大切な空間であり神聖な場所となり、住居へ進化する一方で、神社の本殿に発展していきます。
 旧作田家住宅は、まさにこの概念を具現化した住まいなのです。

 ああ、行ってみたい、見てみたい!