知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

「女たちのシベリア抑留」

2014年10月11日 22時20分18秒 | 震災
NHK-BSにて前編・後編連続しての再放送。

<番組内容>
 終戦後、日本人60万人がソ連に連行されたシベリア抑留。その中に従軍看護婦など多くの女性も含まれていた。女性抑留者がたどった過酷な運命を証言中心に前・後編で描く。
<詳細>
 終戦後、旧満州などにいた日本人60万人がソ連に連行され強制労働を課されたシベリア抑留。その中に多くの女性も含まれていた。従軍看護婦や、逃避行を続けていた居留民などが、日本軍と一緒に拘束されたのである。女性たちの中には、戦犯とされ10年以上の抑留を強いられた人や、帰る場所がなくソ連国内で生涯を終える人もいた。今までほとんど語られることがなかった女性抑留者の存在。その苦難の歴史を証言でたどる。


 戦争はじいさんがはじめ、おじさんが指揮を執り、若者が死んでいくもの。
 そして一番つらい思いをするのは女性と子ども。

 番組中、皆さん明言を避けてはいるものの、言葉の端々に捕虜となった日本女性がレイプ(強姦・陵辱)されて殺された事実が垣間見えました。
 第二次世界大戦で敗北したドイツの女性は200万人レイプされた、と某ドキュメンタリーで語られました。
 慰安婦問題で日本を責めている韓国も、ベトナム戦争当時ベトナムの女性をレイプしその結果生まれた子どもが数万人いるとされています。

 特定の国・民族を責めるつもりはありません。
 アジアに進出した日本人の行動も推して知るべし。
 ただ、戦争状態に陥ると、生き延びるために人権は無視されるという事実を語っているだけです。

 シベリアへ抑留された女性は、日本に帰ってもつらい仕打ちを受けます。
 「ロ助(ロシア人)に犯された女」とみられて縁談がまとまりません。

 ある女性は日本に帰ることをあきらめ、ロシア国籍を取得しました。
 親しい友人には「帰りたいけど日本には私の居場所がない」と打ち明けていました。

 戦争終了後に行われた「シベリア抑留」という名の強制労働。
 この対価をロシアは日本に支払う義務があるはず。
 そこには「戦勝国は裁かれない」という暗黙のルールが立ちはだかります。
 アメリカが東京空襲で10万人の民間人を焼き殺した“犯罪”も裁かれません。

 しかし、民間人同士になれば、ふつうに付き合う隣人です。
 すべて「戦争」が人を変えてしまう・・・。