知らない世界へ帰りたい(日本探求)

自分の祖先はどんなことを考えていたのか・・・日本人の来し方、行く末を読み解く試み(本棚10)。

日曜美術館「東京の原風景〜夭折の絵師・井上安治が描いた明治」

2018年05月13日 15時22分56秒 | 日本の美
日曜美術館「東京の原風景~夭折(ようせつ)の絵師・井上安治が描いた明治」
2018.5.13放送

<番組紹介>
 明治の東京の姿をリアルに描き出した、知られざる明治東京名所絵のシリーズがある。現在の東京風景との比較しながら、井上安治が描いた「東京の原風景」に思いをはせる。
 描いたのは、26歳で夭折(ようせつ)した絵師、井上安治。
 “光線画”で名高い小林清親に弟子入りし、江戸伝来の浮世絵とは全く異なる新時代の風景版画、134点のシリーズを生み出した。番組では井上安治の明治東京名所絵を現在の風景との比較や明治の文豪の思い出の文章をまじえながら紹介し「東京の原風景」に思いを馳(は)せる。


 安治の絵を見ると「はて、これは小林清親?」と思うほど似ています。
 それもそのはず、安治は清親の弟子。

 江戸時代を代表する表現方法である浮世絵は、現実をそのまま描くのではなくデフォルメしてインパクトのある構図となっているのが特徴です。
 江戸時代と明治時代の間に生きた清親は、デフォルメをやめ、変貌していく東京に江戸の要素を残しつつ、かつ人物や動きを入れた手法をとりました。また、光と影を効果的に使い、「光線画」として人気を博しました。

 その弟子である安治は明治の人。
 清親の陰に隠れてずっと無名のままでしたが、江戸学者で漫画家の杉浦日向子氏が発掘して取り上げ、一躍有名になりました。

 2人の絵を見比べてみると、清親が好んだ「動き」が安治にはなく、ただあるがままにその場面を切り取っており、奇をてらったところがありません。
 夜の風景を多く描き、一抹のわびしさが漂うのも特徴です。
 まあ、「淡白」「そっけない」ともいえますが、当時の記録という意味で、資料として価値がありそう。
 番組内では、新橋駅や上野駅を現在のものと見比べたりしてましたね。









<参考>
・2018年5月13日 / 旅の紹介 「第67回 井上安治 浅草〜日本橋・文明開化を感じる旅

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